『カンパニー』感想・2
たまちゃん演じる青柳誠二は契約打ち切りを伝えられたくらげちゃん演じる由衣のためにとりなそうとしてバレエ団へ出向を命じられる。
穏やかで、まじめで、人がよく、ゆえに回りの人からも信頼されている。
たまちゃんの雰囲気にとてもよく合った役。
普通の、でもちゃんとした日本のサラリーマンやらせたらたぶん右に出る人はいないぜ。
青柳という役とたまちゃんの親和性はとてもいいと思うんですが、
「カンパニー もう一人じゃない」
と主題歌で歌う彼は、いつ一人だったというのだろう。
奥さんは亡くなってるけど会社の同僚たちから遠巻きにされてる雰囲気もないし、バレエ団にはすんなり馴染んでるようにしか見えないし。
芝居冒頭のスリ騒ぎの際には学生時代の後輩だった駅員から親近感と敬意をもって話しかけられてるし。
それと、青柳は妻の死によって生きる希望を失ってた設定らしいんだけど、そのわりに朝っぱらからシャキシャキとスリを捕まえるし、「今日も頑張るよ」と奥さんの写真に語りかけるくらいには前向きなのである。
カンパニーによって生き返ったというか、そもそも死んでなかったよ。
宝塚のトップスターが演じる青柳にかっこ悪いことをさせられないというダーイシの心遣いなのかなぁとも思うけど、結果として青柳のキャラがよくわかんない。というか、舞台をとおしてなんの変化もないキャラになってしまった。
そんなキャラが主役の話だから、盛り上がりどころがなくていまいち面白みに欠ける作品になってしまうんである。
2回目の観劇で早くも「ここ、寝てていいかな」って思った場面があったぞ。
そうはいってもダーイシはベテランだから、眠くなるような舞台づくりはしないし、3回観て本当に寝ることはなかったんだけど。
演出の仕方(途中でのバレエシーンの入れ方とか)は良かったと思うし。
舞台の見せ方は悪くないんだけど、設定と脚本レベルでどうもなぁ……。
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