2017年『レビュー 春のおどり』感想・3

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・壇ノ浦の合戦の場面では桐生さん弁慶と平家の若者たちの絡みがコミカルに。
長薙刀を渡し(思わず受け取り、団子のごとく連なる3人)、取り上げた刀を両手に六方を踏むように花道を渡っていく桐生さんの動きもめちゃくちゃかっこよかった。
ここだけでも観る価値あるわ。

屋島も壇ノ浦も振付は作・演出・振付の尾上菊之丞氏。
天才か!と叫びたくなったぞ。
作・演出と振付師が同じだから、場面の雰囲気と踊りがものすごくシンクロした思いきったものが作れるのかなぁ。
(ヅカならバレエやってた生田センセイができるか?)

義経を射ようとして佐藤継信(悠浦さん)が盾となる。
ここからの義経と平教経(真麻くん)の芝居がいい。
義経はここで一気に戦いのボルテージが上がったように見えた。「源氏」のための戦いだったものが、友を喪ったことから自らの戦となったかのような。
平教経の真麻くんは、魔王じゃないかと思うほどの青い炎をまとっている。凄味のある人だ。

けして大きくない真麻くんが源氏の兵2人を道連れに海に沈むのも、かれの魔王のような笑い声と併せて―ー怖かった。
ダンスがすごい人だけど、役者としても好きだわ。

・壇ノ浦の戦いのあと、兄に追われる身となった義経が東北に逃れたことを示す民謡メドレー。
長かった。
半分の長さでいい。
義経が落ち延びるルートを示してる歌だとは思うんだけど、ここはダレた。
高世さんが出てくる前くらいの長さで終わっていいくらいだ。長くても高世さんの出番が終わるまでかな。それ以降はあまりに冗長に感じた。

・弁慶が矢ぶすまになって往生するのをライティングで見せたのが面白かった。
前方席は迫力あるしオペラグラスもいらないけど、3階席はライティングやフォーメーションを楽しめていいんだよね。

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Posted by hanazononiyukigamau