『王妃の館』感想・1

宙組

宙組大劇場公演『王妃の館 -Château de la Reine-』2月18日(土)11時公演と19日(日)15時公演を観劇してきました。

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原作本を読んでから観劇したんですが、「ずいぶんとあっさりしたなぁ……」というのが第一の印象です。
ヒロインは原作にあった不倫設定はなくなったし、主人公たちは下品なセリフや下品な行動をとらなくなった。
スミレコードに守られました。

クレヨンの元カレというか元ヒモだったピエールが、そんな過去はまっさらにして早見さんに恋していたのにはびっくりしました。
彼氏いない歴40年越えの早見さん、オールドミスながら結婚を諦めていない早見さん。
でもピエールよりも仕事を選んじゃう早見さん。
もったいないというか、ちょっと意味わかんないよ!
北白川に惚れてたわけでもないし、仕事を捨てられないという書き込みが演出上でされていたわけでもないから。(そりゃ一生懸命に仕事はしてたけど)
うーむ、それともそこで彼氏ゲットにむけてダッシュできないあたりが彼氏いない歴42年のリアルなのか?

物語は下田夫妻の自殺騒動を中心にして進み、それ以外の人物の書き込みはあっさりめ。
金沢&ミチルの苦労人エピソード(部屋を掃除しちゃうところとか)はばっさりカット。もちろんこれはヒロインが不倫設定じゃなくなったせいもあるけど。

ディアナとプティ・ルイの話もほとんどありません。
うらら様の出番の少なさにびっくりしました。
ディアナとルイ14世の出会いの舞踏会の場面はヅカだわー、と思いました。宝塚といったらドレスですよドレス。

ムノンの料理エピソード(好きだった)もまったくないため、ルイ14世を守り育てた料理人ではなくただの従僕の立ち位置に。

ルイ14世は現実世界に出てきて観光案内しちゃったりします。
だから原作本からキャラと舞台を借りた、別作品のおもむきですね。

ひとつわからなかったところ。
最初のほうではディアナはプティ・ルイに「あなたのお父様はスペインの血に従って私たちを見捨てたのよ」的なことを言っていたのに、最後には「太陽(ルイ14世)は近くにいなくても私たちを照らして見守っていて下さっているのよ」的な言葉になるんですよね。
180度方向転換した理由がよくわかりませんでした。

最初のセリフはルイ14世の自責の念から出た妄想の言葉で、最後のは北白川たちに出会って心を開くようになったから聞こえたディアナの声ということかな?と思ったのですがどうなのでしょう。

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Posted by hanazononiyukigamau