『グランドホテル』感想・7

月組,専科

●みつるのプライジングは働いていたオットーのことも覚えちゃいないし、フラムシェンが言うとおりの「豚野郎」。
でも芝居はじめで主要メンバーが電話をしながらかけあいの歌をうたうシーンでは娘に「会いたいよ」などと言ってるんですよね。
娘思いの父親でもあると窺がわれて、2度目には泣ける。

会社の倒産、破産の危機で追い詰められて、余裕がなくなって、そういうときに理性のたがが緩んだり衝動的になったりするのかな、と。
自業自得とはいえ悲しい人です。

●地階の労働者、すごい迫力。
『1789』を思い出しました。民衆のパワーとしてあの作品で培われたものもあるよね。
直接メインキャストに絡む役じゃないけど、彼らがあの時代を示す物語の通底音となっているのでしょう。

たまきちが歌ってるときだったか、一人低音を響かせてるのはジョー?

●グルーシンスカヤの「踊らなきゃダメ?」に対するるうちゃんウィットの「ダメだ」がすごく好きだ。愛がある。
ずっとグルーシンスカヤを見守ってきたんだなぁ。
かれとグルーシンスカヤの過ごした日々を感じる。

●フラムシェンが「行きたいよハリウッド」と歌い踊るときにベルボーイたちがじろじろ眺める。
それぞれの目つきが好きだ。っていうか、ああ、この人はフラムシェンの顔が好きで、この人は脚派なんだなとか(笑)。
れんこんは思いっきり脚派でしたね(笑)。

●メイドたちの登場シーン、小雪はほんとこういうの似合うなー!
小雪は顔は可愛いけど、キュートなザ・娘役やってるのよりちょっと毒っ気があったりクセがあったりするほうがハマる。

●電話交換手の歌も好き。
動きと歌と、合わせるのがとてもむずかしそう。

●ドアマンはひたすら回転扉を回す回す回す……。
手が痛くなりそうだけど、横一列になったときにたまきちを挟んでセンターだったりするのでおいしい。
礼華くんと一星くんという長身超若手コンビでした。

●男爵版で追加された歌は「Roses At The Station」、「Bonjour Amour」の2曲。
これらは生田くんの訳詞。
元のものからどの程度正確に訳されたものかはわからないけれど、素敵な歌詞だった。

●最後の「Grand Parade」で「みなさんビルの中…みなさんビルの中」と歌うのに「ホテルはビルなのか? 広い意味ではビルだろうけど……」と納得しかねていたら、プログラムに「皆さん いるのが グランド」と書かれていました。
ああ空耳。

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