『グランドホテル』感想・5

月組

※いろいろ書いてますがセリフはうろ覚えです※

●長椅子をまたいで立つたまちゃんのエロさにやられている人は私だけではないようで、「まさかたまちゃんがエロさを評価される日がくるとは……!」と感慨深くもあります。
若手のとき(新公やってた頃とか)ってあんまりそういう評価されてなかった気がするし。といっても、普通ならまだ若手~中堅の学年なんですけどね。

ついつい「回春剤」という言葉を思い出してしまいました。
あーもうすいませんすいません。

でも男爵とグルーシンスカヤの関係は、女性の夢だと思いますよ。
ドラマティックな出会いをした若くてハンサムな男の子が自分に恋してくれるというだけじゃない。
すでに若くない自分の顔をじっと見つめるかれに「なにを見ているの」と問えば「あなたの人生を、経験を」と返ってくる。
翌朝、かれが貴族だと知って女性関係を問えば「女の子は2、3人知っているけれど、女性は1人も知らなかった」と。

自分の人生を、経験を、正面から見つめてくれる。肯定してくれる。
失われゆく若さではなく、年齢ゆえに持っているものを愛してくれる。
「これほどまでに美しいとは」と歌うのも、グルーシンスカヤの生来の美貌によるものだけではないでしょう。

『グランドホテル』はそもそも一定以上の年齢の方のほうが楽しめる作品だと思いますが、たまちゃんは今回の男爵役でアラサー以上(いや、アラフォー以上かな)の女性のハートをがっつりつかんだことでありましょう。
フェロモントップとして生きてくれ……。

●グルーシンスカヤとのラブシーン以外で。

・男爵は役の設定として「快活」。
借金まみれだけれど、そのことに良心の呵責は少ない。

たまちゃんの場合、雰囲気も演技も基本的に地に足がついてるので「たま男爵ならふつうにお金を返しそう……」ではあった。初見のときは特に。
でもその1週間後に再度観たときはだいぶ軽やかな男爵になってるなと感じました。

フラムシェンと軽く遊んでるのもなんか不思議な感じだったんだけど、回を追うにつれてその不思議さ(違和感とまでは言わないが)が消えていった。
理由はたまちゃんの成長と、こちらの思い込みが薄れていくのと両方かな。

「僕がきみに会いたくてきたんだ」「今は(フラムシェンの)炎に燃やされる蛾となるのに忙しい」みたいなセリフのキザさよ……!

・男爵が身支度をするシーンも大好きでした。
シャツをきちんと着て、ネクタイ締めて、ベストを着て、ジャケットを羽織って……という一連の流れが「男」すぎる。
えーと、中の人はほんとうに妙齢の女性ですか?
リアルメンズな色気が漂いすぎてるんですけれど。

この場面、色っぽくて大好きです。

ところで運転手は男爵の部屋でくつろぎすぎだろう(笑)。
どういう関係なんだこの人たち。(貧乏貴族と借金取りです)

・オットーとの財布のくだりのやりとり。
互いに優しい嘘をつき続ける。

息の詰まるような、心臓をつかまれるような場面。
こういう芝居のうまさがたまちゃんだなぁ。

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月組

Posted by hanazononiyukigamau