『燃ゆる風』感想・2

星組

星組バウホール公演『燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-』1月14日(土)14:30公演の感想の続き。
観劇はこの1回のみです。

●竹中半兵衛役のかいちゃん。
美しいっっ。

秀吉の軍師・半兵衛は「戦国の世の沖田総司と謳われ」た人だそうで(プログラムに書いてあった)、へー、そうだったんかー。
たしかに血を吐いてましたな……。そしてかれの短い生涯が椿の花と重ね合わされていた。

武芸と知略に優れた美貌の軍師。
落ち着いた声音で進む芝居は彼の冷静さと智謀を示すにじゅうぶんで、男役として恵まれた体格は彼もまた武芸にすぐれた戦国武将であったということを言外に示してくれます。
かいちゃん、似合ってたわぁぁぁ。

軍師なので基本的には冷たく見える。けれど情の人であることもこちらに伝わる。
幼馴染の三郎太との別れ、官兵衛とのやりとり、松寿丸の延命、いねへ向ける視線の穏やかさ。
いい役でした。

しかし、織田家の人質で斬られるはずの松寿丸をひそかにかくまうことにしたのはいいとして、自分の息子・重門にあっさり名前を告げてるのはだいじょうぶなのか……。
どこかから織田家に話が漏れたら半兵衛こそが謀反人扱いだろうよ。
せめて偽名にしとこうぜ、「知らなかったことにして」とは言っても。

●半兵衛の妻・いね役に真彩ちゃん。
落ち着いていてしっかりしたいい嫁でした。
歌うまかったー。

戦国物など戦いがメインになる話ではよくあるように、ぶっちゃけたいして役割のあるヒロインではないんですが、それでもいねがいたから半兵衛は安心して戦に出られたんだろうなと思うような甲斐性を感じました。
ちゃんと存在感のある奥さんです。

終盤、いねが濃姫と謁見するのは「お前にしかできないこと」と半兵衛に託されてのことですが、その「いねにしかできない理由」というのが(ネタバレですが)いねは実は濃姫の生き別れの娘だからというところには苦笑しました。
いや、創作だからどんな設定を盛り込もうが嘘をつこうがいいんだけど、人が人を説得するのに「実の娘だから」だけですまされるのはどうもね。
伏線は丁寧にはられていたので、トンデモな設定自体にはさほど文句はないんですが。

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星組

Posted by hanazononiyukigamau