『グランドホテル』感想・4
大劇場内、キャトル出入り口上に設けられた出演者の写真。
娘役トップならよくあることですが、男役のトップさんがこんなに右のほうにいることってなかなかない。
ほんと若いトップさんなんだなー、としみじみ思います。
『グランドホテル』はたまちゃんの大劇場お披露目公演。
相手役のちゃぴは1学年下で中卒だからたまちゃんよりは年下だけれど、トップ娘役としてのキャリアは長い。
このキャリアの差が、フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵とエリザヴェッタ・グルーシンスカヤの年齢差としてうまく舞台に作用しました。
男爵はグルーシンスカヤに年齢を問われて「29歳と29ケ月」と答えているけれど、「29ヶ月」はどうもオマケくさい。(グルーシンスカヤをドン引かせないための)
なんなら29歳もハッタリかもしれない。
この若さと、グルーシンスカヤに「あなたのファンです」と嘘をつきながらどんどん恋にのめりこんでいくときの一途さがぴたりとはまりました。
「Love Can’t Happen」の「なぜ こんな事を 本音かな これは 大丈夫か」と歌うところがすごく好きです。
こういう、まじめに恋し、まじめに悩み、真摯に相手に向き合うたまちゃんの恋愛ものの芝居がすごく好きです。
あふれ出るいい人感。
そんないい人感あふれるたまきち男爵ですが、ご立派な体格からは生々しいエロさが出ることがあります。
特にグルーシンスカヤから「2人の時間はおしまい」(=話はわかったからもう帰れ)と言われた場面。
なぜ、長椅子をまたぐ。
長椅子って跨ぐもんだっけ。
普通に座ったり寝そべったりする以外にはどうしたらいいんだっけ。
ええと……。
と混乱しました。
たまちゃんが長椅子を跨ぐ姿がみょうに雄々しいというか、長椅子が女の暗喩に見えたというか、もうちょっとわかりやすくいえば「あなたをこのように制しますよ」的なアピールを感じたというか。
いやー、オスフェロモン出てる気がしますわー。
客席で「ひぃぃ」って言いたくなったもん。
そこで声出したら変態みたいだから黙ってたけど。
そして思い出すだけで変な汗かきそうだよ私は。
男役の色気って、フェアリー的・両性具有的なものばっかり想像してた(というか本来こっちが好き)んだけど、こういうのもアリなんだよなー。
たまちゃんの場合、男役の色気なのか男の色気なのか男のフェロモンなのかよくわからんところもあるけど。
でもリアルにエロい雰囲気を出しつつ、暗闇の中では丁寧にグルーシンスカヤを脱がせているというのが男爵のお育ちの良さであり、恋した女性への敬意であり、娘役に対するたまちゃんの優しさであると感じるのでした。
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