『桜華に舞え -SAMURAI The FINAL-』感想・4

星組

・風ちゃんの吹優さん。
宝塚のヒロインとしては、主役と恋仲になるわけでもない、少々残念な役。特にこれが退団公演であるだけに。
けれど、風ちゃんのヒロイン度というか、娘役スキルには惚れ惚れしました。
桐野みっちゃんを見る目がほんと娘役してる。

お祭りのシーン、幸せそうでよかったなぁ。

ラストはドレス姿を披露。
桐野の母君への優しさがよかったです。

・驚いたのはあーちゃん。
今まであーちゃんの芝居を上手いともヘタとも思ったことがなかったけど、今回ものすごくよかった。

隼太郎への娘らしい想いも、桐野との結婚が決まっての「あんたの邪魔にはならん」の芯のある明治女性ぶりも、隼太郎が帰郷したときの「夫が戦っているときに妻が逃げるわけにはいかん」と決然とした物言いも、吹優が訪れたときの控えめながら複雑な感情をにじませた物言いも、全てがよかった。
娘1就任決定がさらに喜ばしくなりました。

・今作は娘役にもたくさん役らしい役があったのが嬉しかった。
ほとんど村人だけど、それぞれの立場に応じての芝居がある。

桐野のお母さん役はあんる。
前作『こうもり』では艶のある奥様をやっていたのに、ほんとがらりと変わる。

「私より先に逝ったらあかんよ」みたいなところ(めっちゃ死亡フラグ)、さらりと演じているだけに泣けた。

・なんといっても芝居がうまいのははるこ。
他の村人たちに対する腰の低さに、彼女や隼太郎の出自がわかる。
藩士、上士、下士、郷士の身分関係が悲しみを生んでいる原因でもあるので。

隼太郎が西郷らと決裂して、「身分の低いもんが偉くなったらあかんね」と静かに言うのが切ない。
泣かず騒がず、自分たちのことで人の心をわずらわせないように、ただ静かに微笑んでいるのが、昔の日本人アイデンティティだなぁ。

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星組

Posted by hanazononiyukigamau