『相続人の肖像』感想・3

宙組

『相続人の肖像』の作・演出は田渕センセイ。

田渕センセイの作品でいいのはメイドや下僕などの場面。
それぞれがキャラを立てて歌って踊って、とても可愛い。
デビュー作の『Victorian Jazz』でもメイドちゃんたちの場面がすっばらしかったもんな!

今回もメイドと下僕のシーンは面白かったです。
「この子はこういうキャラづけしてきたか」とか、「このカツラ可愛い!」とか、「あ、この人はこの子が好きなの?」とかいろいろと楽しめる要素がある。

ていうかルパート役の春瀬くんwwwww
全力で美貌と色気を押してきたwwwwww
売りをわかってるwww

いかにも事後です的な感じでネクタイ直してるし。
組んでたのは美桜さんかな。
きれいで大人っぽいカップルだった。

『相続人の肖像』を観ながら思い出したのは、『アーネストインラブ』と『ミーアンドマイガール』。(めんどくさいのでカタカナ表記)
そういう感じのウェルメイドな作品を作ろうとして、なんか失敗してる感じ。
田渕センセイ本人のことは存じ上げないのでどういう方向に行きたいのかは知りませんが、そう感じました。

ウェルメイドな作品をやろうとするには主人公の造形がなー。
『Victorian Jazz』のときも思ったけど、彼が設定した主人公の性格と、実際に舞台上で出来上がる主人公の人格が一致しない。
これは出演者の問題じゃなくて、脚本上の問題だと思う。

もう一ついいなと思うのは、ちょっと脇のどーんとした見せ場。
今回で言えば執事・フィップス役のまっぷーのソロ。
『Victorian Jazz』でいえばネコちゃんの歌。

上手い上級生にものすごい見せ場がきた!! というのはすごくテンションが上がります。
本公演ではなかなかこのボリュームのソロを聞かせてもらうことはないからなぁ。
バウ作品としては、こういう痒いところへの手の届かせ方がありがたいのです。

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宙組

Posted by hanazononiyukigamau