『A-EN』(ARI VERSION)感想・3

月組

●芝居のプロローグはくらげちゃんを中心とした娘役のナンバーから始まる。
アーサーバージョンで言えば「お前の魅力教えてやろうか――全部だよ」とか「課外授業は無期限延長」(歌詞うろ覚え)とかのアレ。
娘役バージョン、可愛い。
くれあ姐さんまで女子高生やってて無駄のない筋肉っぷりに惚れ惚れしたりするのも含めて楽しい。

が、殺人的にテンションがあがったアーサーバージョンのようにはいかんなぁ。
どうしてもまったり気味になってしまう。
結果的に期待を裏切られた形で、それで肩すかしをくらったまま進んでいった。
くらげちゃんたちが悪いわけじゃなくて、あーさたちがとんでもないレベルだったというだけなんだけど。

そして「宝塚は男役の世界」という言葉を思い出してしまった。
昔はともかく、今は男役が宝塚の中心。
ファンの数もチケットを売る数もかなり違うはず。

娘役も好きなのであまり言いたくはないんだけど、めちゃくちゃかっこいい男役に娘役とは違った次元で魂を奪われるのは仕方ないのかなぁ。

●話は逸れますが、シルバーウィークに東京に行ったとき、泊めてくれた友人宅で彼女らのお友達をお祝いする宴会が行われました。

初対面の人に「宝塚を観るようになったきっかけはなんですか」とお決まりの質問をされ、毎度のごとく「小学生のころから女装やら男装やらホモやらが好きで……」と答えたら、「そこ、一緒な枠なの?!」とつっこまれてしまった。
呆然とした。
同じ枠だということに、これまで疑問をいだいたことはなかったから。

冷静に考えたら、異性装と同性愛って別カテゴリだよなぁ。
同じ枠で考えてたのはリアル世界の出来事としてとらえてなくて、二次元世界の要素として愛でてたからなんだな。

つまり、異性装好きが宝塚への入り口である私にとって、男役にテンションが上がるのは当然のことなのだ。
(――とか言って、なぜか娘役にもハマるんだけど。そして男役×娘役には萌えないので、娘役に自己投影して男役と……というドリーム要素はたぶんない)

●それはそうと、くらげちゃんはやっぱり好き。
メイク顔、可愛くなったなぁぁぁ。
芝居も歌も安心して観ていられる。

1つ気になったんだけど、清純派を売りにしている女子高生は、スムージーを立ったまま飲むのだろうか。

●全体に、アーサーバージョンに比べてアリバージョンはキャラの書き込みが薄いし、物語の構成などが甘い。
野口くん、力尽きたか……?(アーサーバージョンで手いっぱいで)

学食の食い逃げネタとか投げっぱなし。

出演者の力量だけじゃなく、こういう点も作品がイマイチと感じた原因だな。

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月組

Posted by hanazononiyukigamau