『星逢一夜』感想・6
東京宝塚劇場公演『星逢一夜』9月22日(火)15時30分公演を観てきました。
・まず音響。
音が小さい……?
音楽もセリフもきちんと聞こえるんだけど、大劇場で観たときはもっとパンっと届く音量だった気がする。
あえて抑え気味にしてるのかな?
席のせい?
だいたい年に1度は東京にも来ているけど、こういう違和感をおぼえたのは初めて。
・ほんとに源太さんの「待ってぇ~」がなかった。
それだけでなく、全体に芝居が抑え気味に感じた。
例えば紀之介が江戸に行くと知った氷太(大ちゃん)がうぉ~っと泣くところも、ムラはもっとすごかったよね。
あのぶち壊す勢いがよかったんだけど。
芝居全体の緩急があまりつかなくなった。
そうすると、観客であるこちらの感情の揺れも少なくなって、高まるべきところも高まりきらない。昂奮しきれない。
ウエクミの作品はもともとそんなにカタルシスのないのがネックだと思うんだけど、それがさらに強まったなぁ……。
笑いどころを作っておいて、ほっこりする部分があるからこそ、悲しみも切なさも強まると思うんだけど。
・あとラブシーンの少なさ。
その節度がいいなとは思うんだけど、「○○センセイだったら櫓の上で契らせるな。それはなくともキスシーンくらいは作るな」と考えてしまった。
たぶんそういうぐわっとくる部分(オペラグラスが一斉に上がるような)があったほうがいいと思う。いちおう大衆演劇だし。
ベタ演出っていいもんですよ。
でもそういう安易さを避けるのがウエクミ作品の良さという気もする。
とはいえ、ベタ演出でベタに観客の心をつかむか、笑いどころと泣きどころをきっちり作るかのどちらかは欲しいなぁ。
いい作品だとは思うけれど、なんらかの形でもうちょっとこちらが昂奮する演出にしてもらいたい。
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