『アル・カポネ』感想・3

雪組

副題が「—スカーフェイスに秘められた真実—」であることから想像できるように、だいもん演じるアル・カポネは極悪人ではありませんでした。
任侠の世界です。
素人さんに手を出すのはご法度です。

あるときマフィアの銃撃戦に巻き込まれた一般人・エリオット・ネスはアル・カポネに身を挺して守られるわけですが、再会したとき彼は捜査官としてアル・カポネを追う身に。
そんなこととも知らずアルはエリオットに親しみを抱くわけです。

アル・カポネさん、胸襟を開くの早すぎ。

アルにとってエリオットは自分の理解者であると同時に、なりたかった自分でもあるんだろうなー。

というのはさておき、現宝塚の2大ドM男役がソファーに座って並んでいることにウケてしまいました。
あ、2大と言っても適当だし、とりあえず私の中でそうなっているだけで、もっとすごいのがいるかもしれませんが。

だいもんといいうしくんといい、内にこもりまくって苦悩する役が似合いすぎてさー。
変なツボを突かれてしまう。

1幕での若かりし日のアルがまっとうな職と世界に憧れている姿は、そのピュアさに驚き、その若さに「役者じゃのう」と思いました。
さすがは「顔は濃いのに、心は白百合」。
舞台も客席も圧する迫力ある芝居がだいもんの真骨頂かとは思いますが、そうでない部分でもこちらの視線を奪い、心をゆさぶってくるから油断なりません。簡単に言えばかわいかった。

うしくんのエリオットは嘘をついて命の恩人を裏切っていることに苦悩するんですが、その苦悩っぷりはこちらに伝播するような重さ。
じわっと侵食されるような感じです。
うしくんは犬系忠義心のありそうなタイプなので(あ、中の人のことは知らないけど、少なくとも舞台の上では)、余計にかわいそう度合いが高いというか。

それが萌えツボにつながるんだと思う。

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雪組

Posted by hanazononiyukigamau