花組版『オーシャンズ11』感想・4

2021-02-13花組公演感想,花組

●今回は、2.5番手(3番手かもしれん)付近が非常に耳に優しかったです。
みーちゃんとだいもんは言うまでもなく、みつるは本人比で。
専科さんだけどパレードの階段降りは2番手位置(娘1の前)だったみっちゃんももちろんのこと。
耳音痴とは言え、いい声は大好きです。

しかし、なんでみつるがエトワールなんだ…。
みつるは好きだけど、エトワールはいくらなんでもないだろう、小池センセイ。
番手をあいまいにするためなんだろうけれど、エトワールのポジションは歌える娘役のためにとっておいてほしかったよ。
まして今回、さあやの退団公演なのだし。

●テリー・ベネディクト役のだいもんの話。

なぜ自分がこういう悪いことをやってるかを歌いあげるオフィスのシーン。

ベネディクトは「夢を売る男」という曲で「欲しいものを手に入れるためならば どんな手も使う 法律スレスレ」と歌うけれど、ようするに彼はすごーく一生懸命働いて、頭と知恵を使って、合法的にやってきたんだなぁという感じを受ける。
星のべにーさんのときにはなかった印象だ。

なんでだろう、どこかまじめで堅気の雰囲気なのかなー。

でも「オレは悪いオトコッ」とばかりにキメるときは目が爛々とするの。
そのギャップが微妙に面白い。
ああああああがんばってるがんばってる、がんばって悪そうな顔してるわ!

ベネディクト役がだいもんと発表されたとき、「うおお、黒いだいもんがきたわ!」とテンションが上がった。
で、実際みるともちろん黒くねっとりしていてなかなかいいベネディクトさん。
歌も芝居もビジュアルも大好物ですよ。
彼の色気もほんとに好きです。

だけど、予想してたより地に足がついていたというか、ぶっとんではいなかったのね。
『~上海』のときなどのほうがよほどアクセル全開でこの人どーなっちゃうんだ! 的な面白さがあった。

考えるに、ベネディクトって耐える男じゃないからかな。
劉衛強の鬱屈がなくて、どうにも発散しちゃう。
ドMな役をやって悩んで悩んである一点でブチ切れるようなときにずがーんと迫力や色気が出る。
…これはだいもんに限らず、宝塚の男役芝居がたいていそう出来てるような気がしないでもないけど。トート閣下だってSの仮面をかぶったドMだと思うし。

それはそうと、2幕はじめにちゃんと蛇ダンスがあったので嬉しかったです。
そしてフィナーレの最初はだいもんの銀橋渡りでこれも嬉しかったです。

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