『アリス・イン・ワンダーランド』感想・2
●主演・アリスの瞳子ちゃんは上手かった。
芝居も歌もいい。
ただ、本人の責ではないところで、今回は不利だったなぁと思った。
前にも書いたけど、まずアリスというキャラがあまり魅力的じゃない。
仕事や人生に大変な状況になってる女性。
自分のことで手いっぱいなのはわかるけど、娘への扱いがぞんざいで、そのくせ「どうして言うことをきかないの!」と怒ってる姿は気持ちいいものじゃない。
それがないと最後のシーンにつながらないのはもちろんわかるんだけど、でもなぁ…。
しかも瞳子ちゃんの芝居って現実味があって軽くない。
それだけに、アリスの視野のせまさやいっぱいいっぱいなところがズシッとくる。
あと、ファンタジー世界で彼女だけは現実のままの衣装(つまり地味でかわいくない)だから、そういう点でも楽しくなかった。
●もう1人キツかったのがウサギ。
あのプルプルしてる姿にイラっときたわ…。さっさとしゃべれ! と蹴りを入れたくなった。
演じている人がどうかは知らないけど、単にああいうキャラが苦手なんだと思う。
●すごくいいなぁと思ったのは、アリスの娘・クロエ役の高畑さん。
両親に失望しているけれどそれでも嫌いにはなれないし、「もしかしたら」という気持ちはあるし……という、子供の気持ちが胸に迫った。
アリスには感情移入できないけどクロエにはそれができるというのは、年齢はともかく私の立ち位置がいまだにクロエの側にあるのかもなぁ、なんてことを思った。
どうにも物の考え方が被保護者なんだよね。
●帽子屋の濱田さんはかっこよかった。迫力。
歌もすごくうまいし。
お名前だけは今までにもよく見る人だったので、たくさんの舞台に出ておられることに納得した。
●15人のアリスが出てくるところは楽しかったなぁ。
男も女も、かわいいのもかわいくないのも、みんなみんなアリス。この場面が一番好きだな。
『アーネスト・イン・ラブ』のメイドたちを思い出した。
●芋虫が出てくる場面のちょっと淫靡な雰囲気も好き。
全体にショーっぽくて、楽しく観れた。
なぜか寝もしたけど…。
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