『宝塚ジャポニズム~序破急~』感想・1

星組

星組公演を観てきました。
まずは日本物のショー『宝塚ジャポニズム~序破急~』について。

基本、ろくなことを書いてませんが…。

●「序 さくら幻想曲」

開演5分で長い、と思ってしまった。

さくらのボレロは嫌いじゃないし、キレイだし、動きも揃ってる。
手からこぼれる桜の花びらは美しい。
けれどどうにも退屈だった。

思うに、そこに繰り広げられているのは私の観たいものではないからだ。
本格的な日舞を観たいわけじゃないし、失礼ながらそれができるとも思っていない(本職じゃないから)。

でも植爺がやりたいのはどうやらそういう方向なんだよね?
「宝塚の伝統だ」って。

でも「伝統」って都合のいい言葉で、たいていの場合具体性を伴っていない。
人によって違う、百人いれば百とおりの範囲がある言葉。
彼の思う「伝統」がどこにあろうと私の思う「伝統」はそこじゃないし、伝統うんぬんはさておき今回のショーは観たいものじゃなかった。

話は戻ってショーの「序 さくら幻想曲」のこと。

歌がない。
歌なしで延々踊りを観るのがこんなにキツイと思わなかった。
「さくらさくら」のカゲコーラスはあるけど、本舞台上で歌われるものとはやはり違う。カゲだと楽器に近い感覚なんだ。

せめてチョンパで始まってくれたらなぁ。
そしたら上がったテンションのままいくらかは楽しめただろうに。
今回は宝塚のショーとして、人を楽しませる作りになっていなかった。

「序」を観ながら、10分の記念祝舞だったらよかったな、と思った。
あのテンションで観客としてのテンションを維持できるのは10分が限界だわ……少なくとも私は。

●「破 弥勒菩薩~千体仏」

暗闇の中、僧侶の声が響きわたる。声明というらしい。
それ自体はきっととてもありがたいもの。
しかるべき寺院でしかるべき時に聞いたらきっと感動したはずだ。

だが、これも宝塚で聞きたいものじゃなかった。
どんなに拙くてもジェンヌさんの声で聞きたいよ。

1分が限界だな、と思った。
それならホルンやクラリネット、太鼓などと同じくオケの一部として、「楽器」として自分の中で扱える。
だが長々と続く。

松本様にライトが当たり舞踊がはじまる。
声はまだ続いている。
せめて松本様の踊りの前で終わってほしかったな。
なんか疲れた。

それが終わったらようやく星組子が出てきて歌うんだけどこの歌がまたがっくりくるもので……。
延々と「どういうことだ」と。
天部や明王たちが人間にお怒りらしいですが、なんで舞台を観にきて説教されなきゃなんないのよ。
植爺のこういう「思想性」が嫌い。押しつけがましくて。

しかも衣装ヘンなんだよ。
美しいものを見たいんだよ私は。

評判が悪いわけがよくわかった。
作った当の本人は、プログラムに「ぜひともこんな形の日本物のレビューについてご意見を戴きたい」と寄せてあるが、「こんなの台湾に持っていくな」としか。

カゲソロの真彩さんの歌はよかった。
誰だ? と思ったら組まわり中の研1さんであった。

●「急 荒城の月」

唯一宝塚の和物ショーっぽかったところ。
これがなかったら本気であり得なかったわ。

この場面がべにーの生歌で始まるというのも正しい。
彼はめちゃくちゃ上手いというわけではないけど、宝塚の舞台でジェンヌさんが歌わなくてどうするんだ。

でもちえが戦いで果てたあと、なんで松本様が長刀持って舞ってるのかよくわかりませんでしたが…。
(まずプログラム読まなきゃ役名が淀君だってわからないしね)

それでもともかく最後の総踊りが美しい。
下級生のコーラスもいい。
最後にようやく「宝塚のショーだなぁ」と思えた。

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星組

Posted by hanazononiyukigamau