月版ロミジュリ感想・14

2020-12-14月組公演感想,月組

まさおのティボルトはたしかにロミオよりニンだなぁと思いました。
声がだいぶちがうのね。
低く抑えた声でしゃべっていて、明らかにちがう存在感を放っている。重力があるんだよね。

まさおのティボルトは「本当の俺じゃない」と言いながら「気が付くと 拳を握り上げ 戦い始めてる 誰も止められない」とナイフを手にしているのがしっくりくる。
変な表現になるけど、系統としては「ナイフがお友達」で盗んだバイクで走り出し校舎のガラスを割り続けるテルキタの路線に近い。
(というか、ティボルトとしてはみりおが特殊なだけか)

まさおは追いつめられた男が似合う。
でもってダークな色気がある。
ティボルトを演じていてさえ白い王子だったみりおとちがって(それはそれですごいと思うんだけど)、まさおのティボルトには野生味がある。

「今日こそその日」を歌うときのヒリヒリするような視線、ずしっとくる存在感がいい。
ジュリエットに焦がれているのがストレートに伝わってくる。

『激情』を思い出しましたよ。
血を見ないと終わらない、まさおのティボルトはそういう破滅的な愛だ。
死ぬのが相手であれ自分であれ――。

衣装で『激情』を思い出したせいかイタリアというよりスペインのイメージだけど、そういうたぎる血を抑えられないのが伝わってくるティボルトでした。

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