『近松・恋の道行』感想・10
●嘉平次のお父さん=五兵衛は泣かせる。
いい場面だ。
汝鳥さんは任せて安心だなぁ。
・しかし「盃を出せ」「もっと大きくないと入らん」のくだりで初日は笑いが起きてました。
そこ笑うところじゃないから!
・嘉平次が口先だけとはいえ、きはとの結婚を承諾したときの「よかったなぁ」ときはにかける声に胸が熱くなるんだけど、仮に結婚してもだれも幸せにはなれないのがこれまた辛いよな。
“幸せ” の定義によるんだろうけれど。
「これでようやく寝られる」というお父さんの台詞はほんとうに泣けるんだ。
これをだまして女郎との死を選ぶ嘉平次は、愛に生きたとはいえ、親不孝なことだ。
●初日に笑いが起きたシーンつながりで。
2幕はじめで鯉助が「そんなん危ないがな!」「刺したら痛いやんか」みたいなことを言ったところもかなりウケてたな。
(2日目も笑いは起きてたけど初日ほどじゃなかったと思う)
でもこの場面のみーちゃんはいいね。うまいね。
ここから鯉助のボルテージが上がっていくんだ。ぞくぞくしたよ。
・しかし1幕登場時の鯉助はヤな奴でしたなー。
小弁ちゃんを触る手がエロい。
後ろから胸のあたりに手を伸ばして、そりゃー小弁ちゃん逃げるわー。
プライド高い女にちょっかい出してやーろうーって感じが見えすいて、ほんとにヤな奴。
それをこんなにまざまざと感じられるように、演じられるのがすごい。
●まーいわゆるベッドシーンに近いものがこの作品にもあるんですが、2組の違いが興味深かったです。
ベッドシーンと言っても押し倒して暗転、というレベルのものですが。
嘉平次とおさがはよーするにその日2回目ってことなんですかね。
まぁ色っぽいことで。
おさがは押し倒されるというより自分から倒れてた。
そのへんは職業柄?
清吉と小弁ちゃんは、小弁ちゃんのほうから誘うんだけどちゃんと清吉に押し倒される形になってた。
現状は女郎とはいえ、武士の娘が自分から倒れてくわけにはいかんのだよな。
でもってみつるの清吉が男らしいので、「忠」=身分関係に縛られていた心の堰が決壊し、彼女にのめりこんでいくのがまざまざと感じられた。
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