残るという奇跡
『少女歌劇の光芒ーひとときの夢の跡ー』を読みましたよ。
大正から昭和にかけて全国各地にあまたあった少女歌劇の実態や趨勢について調べられています。
私の地元にもあったという話は聞いたことがありましたが、全国にこんなにたくさんあったとは知りませんでした。
読んでいて驚いたのは、そのほとんどが「宝塚歌劇」をモデルにしていたり、目標として作られていたこと。
当時から有名で、比肩すべき存在となりたいと思われる華やかな場所だったんですね。
そうして作られた少女歌劇、多くは長くは続きませんでした。
5年から、長くて10年ほどで幕を下ろしています。
戦争や、経営不振によるものが大半。
福井のだるま屋少女歌劇部のように国家政策により続けられなかったと思われるものもあります。
百貨店内での演劇興行が規制されたんですね。
こうしてあまたの少女歌劇の運命をみていくと、もうすぐ100周年を迎える宝塚歌劇の長命さというのがどれほど特殊で奇跡的かと思われます。
けれど「奇跡」だけで語ってはならないのでしょうね。
先人の努力あってのことでしょうから。
ともかくも「宝塚すごいな」と思わされる本でありました。
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