『REON!!』感想・5

1幕終わりの「世界の王」の歌からはじまるロミジュリ世界はすごくよかった。

本公演とは違って死が支配する世界。
ジュリエットもいなくて荒涼とした雰囲気がある。

ナマでみる真風の「死」はよかった。
なんといっても美しい。
そして梅田・博多で作りこんだ経験のある役だからだろうか。

女装した礼くんの「愛」と真風の「死」のキスシーンにはぞくぞくした。

毒でも流し込むような邪悪なキス。
「愛」は苦悶の表情を浮かべる。
薄暗い舞台で真風の大きな口からのぞく歯が不気味さを増す。

ジュリエットのいないスピンオフ世界では死が力を発揮する。
ロミオも口付けを受けて「死」にとりこまれ、彼自身が死となる。

ダンサー・柚希礼音のソロダンス。

真風の「死」とはあきらかに違う。
ちえの「死」は人を誘わず、自分の内面の中にのみある。
激しいが荒々しくはない。

黄泉の世界をさまようのか、あるいは彼が「死」を生きるのか。
鈍くぬるく、体温も感覚もなくした茫洋たる空気感をただよわせ、その中にたゆたう。
ときおりふと何かに反応をみせる。

人としての感情(おそれなど)を持ち続けているようであり、また、逆に全ての感情を失ったかのように見えるときもある。
荒野の中にただ一つの埋み火があるようなイメージを持った。

静かに幕は降ろされる。
息をのむラストだ。

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