『ドン・カルロス』感想・3

貴族の若者たちはぶっちゃけ大道具状態である。
一列に並んで順番にセリフを言ったときには「これ、植爺の芝居だっけ…?」とつっこみたくなったほどだ。

ちぎ・緒月らは背景のある役だからいいとして、それ以外の6人ほどは、彼らに役そのものの個性はほぼない。
あるとすれば、ジェンヌ個人の持ち味や演技でどうこうするだけ。

さて、無個性といっても仕方ない集団の中にはやけに楽しい人が混じっている。
配役と人物相関図が出たときにうひゃあとなったわけだが、あすくんである。
いろいろと蘭寿さんに似ている藤咲えりちゃんの妹。

このあすくんというのはなかなか愉快なお人である。

まず蘭寿さんに顔がそっくりというだけで私は笑いをこらえきれずにいるのだが、なんだか芸風も似てる気がする。
娘役らしくつつしまやかに品よく舞台に立つえりちゃんとは対照的に、存在感が暑苦しい。
えりちゃんがお母様のお腹の中に置き忘れてきた「過剰」という言葉を余さず持ってきましたー! とばかりの演技の濃さ。

セリフが回りで交わされたり、なにか物事が起こったりするたび、素晴らしくよい反応をみせる。
物事へのアクションが素早いのである。
しかも演技が大劇場サイズなのである。

「打てば響く」という言葉があるが、彼の演技はそれである。
なにもそんなに素早くいい音で響かなくても(しかも舞台の端っこから)…とツッコミを入れたくなるくらいの響きっぷりである。
脊髄反射レベルの反応をみせてくれる。

残念ながらあすくんはスターさんではない。
学年的なものもあるが、今後脇のちょっといい位置につくことはあっても、新公で主演をすることはおそらくないであろう。
なんとなく、いまっち的な人である。あんなに早く辞められたくはないが…。

であるからして、貴族の若者たちがずらっと並んでいても、あすくんの位置はほぼ端。
ライト圏外だったりする。ちょっと泣ける。
このへんが同期のレオくんとの差なんだろうなー。彼はスターの道を歩んでいきそうだもん。
人にはそれぞれふさわしいポジがあると思うので、あすレオの差については文句はありません。

で、そんなアウトオブライトなあすくんなのだが、本人の激しい演技をもってめっちゃ目に飛び込んでくるんである。
ライトが当たってようがなかろうがそんなもん関係ない。目立つ。
ウザかわいい、と言ってもよいかもしれない。

青年たちの場面はおかげで彼ばっかりみてしまった。
ものすごく楽しかった。
これだけ目につくということは身長は小柄だけど華もあるんだろうな。

こういう若手がいるとヅカファンを卒業できなくて困る(笑)。

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