『REON!!』感想・3

星組

●RE4 はいわゆる「ちえちゃん」の場面。
ちえ作詞の歌が歌われるシーンです。

彼女の幼いころの思い出、愛する家族を歌い、最後は「ちえちゃんでよかった」で締められる。
大介氏に「これは詞ではなく日記だね」的な言われたということですが、面白くおかしくも泣ける、なかなかいい話でもあります。

「数十年前の6月11日、大阪で1人の女の子が産まれました。その子はちえちゃんと名づけられました」
(言葉はうろおぼえです)
そんな感じの導入からはじまるソロを聞いてると、ちえの懐かしむようなあたたかい表情も相俟ってなんか泣けるのだが、――ただ、いかんせん背後の4人が最強、いや最凶。

MITSUAKI(父)のべにー、CHISEKO(母)の真風、AKINOBU(兄)のれんた、CHIE(本人)のしーらん。
この4人が歌詞に合わせて繰り広げる家族ドラマ。

お父さんは着物に三角眉、お母さんは着物に割烹着。
セットの部屋にはちゃぶ台、古めかしいテレビに黒電話、ストーブにはやかん。
ちえの実年齢を考えるとちょっと設定が昔すぎないか? と思いましたが、記憶を掘り起こすとこんなものだったような気もしてきます。
でも年代的に着物の父母はさすがにいないよなぁ…。まあいいんです、きっとフィクションなんです。

で、この真風演じるお母さんがすごくいいの。
包容力ばりばりで「ザ・日本のお母さん」している。ネタかと思ったらガチ。
めちゃくちゃ優しそうで、なにかあるとおろおろしている風情がかわいくて、「こーいう人に育てられたかった!」と思うようなつくり。
(あ、念のため記しますが、私のリアル母にはなんの不満もありません)

真風のどことなくぽわーんとした雰囲気がものすごくハマってました。
もしやこれは宛書なのか?! だとしたらすごいぞ!

れんたとしーらんの兄妹は、2人そろって廊下を横向きに滑ってくる登場シーンだけでやられた。
でもってものすごくじゃりんこチエの世界でした。

べにーのお父さんは、なんせもうべにーだからねぇ…。
ギャグをかましてる姿は素なのか芝居なのかわからないっていうね。

この4人が繰り広げる芝居に爆笑しちゃって、かんじんのちえの歌ってる姿をほとんど見れない。
そして詞に涙腺をやられつつも笑いすぎてどうしていいのかわからない。
めちゃくちゃ感動的なのにそれを上回る笑い。
いやぁ、楽しかった。

ところでれんたさんの本役さんが来られていた日、私の斜め前あたりにいた男性がしょっぱなから超ノリノリでした。
スタンディングしてペンライトを振るところでも「どんだけノリがいいの…!」と突っ込みたくなるくらいのハイテンション。
男性だけどガチファンなのかしら、と微笑ましくみておりました。

その方がアキノブさんだったら面白いなーと思いましたが、違うだろうな。顔はみえなかったけど髪の量がちえ兄という年齢を思うとさみしめだったし。
それにお兄様ご本人ならきっといい席に座ってるでしょうしね。
(テンションが高かった男性の席はやや後方の端よりでした)

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星組

Posted by hanazononiyukigamau