『エドワード8世』感想・7
「…驚かれましたか、僕はソヴィエトのスパイなんです」
舞台も終盤に入るころ、ガイのまさおが言うんだが毎回ツッコミを入れたくて仕方なくなる。
ほんとにびっくりしたわ!
とうとつな「実はゲイでーす」な芝居に!
(ちなみにストーリーにはゲイ云々はまったく関係しない)
こちらの脳天をぶっ飛ばす、銀橋でのいきなりのラブシーン。
まんちゃんを呼ぶ「アンソニー」という声の甘さにやられ、まんちゃんの「君のためだ」発言にびびり、後ろからまんちゃんの体に腕を回してるまさおにおののきました。
『ル・サンク』で脚本を読んでるだけならさほどの威力はないんだけど、美形2人に舞台で(しかも銀橋で!)やられると…すごいもんがあります。
いやー、ストーリー上まったく意味のない腐った場面をありがとうございました大野センセイ。
(ちなみにこの場面の写真は『ル・サンク』にもこっそり載ってます。21ページです)
初日近くに観たときはまんちゃんはぎこちない感じだったんですが、2週間を過ぎたときには余裕が出てきてましたね。
ああよかった。
まさおは路線育ちだし、さすがに2番手になってから長いためか、最初っからエロかったなぁ。
このへんはキャリアの差よね。
まんちゃんの役名「アンソニー・ブラント」に「アンソニー・ブラック」氏を思い出してゲイ御用達みたいな名前やなぁと思いました。
(アンソニー・ブラックさんはパラプリにおける蘭寿さんの役名。とってもバイです)
あと、スパイ仲間のモウラにマクマホンを紹介されたときに「このくたびれた男が?いやだなぁ」と即座に自分の好みかどうかを判断するさまと、「あなたの好みなんてきいていないわ」とばっさり切り捨てられるさまに笑いました。
モウラさんにとってはガイがゲイであることはとっくに承知の事実なのね。
まさおのガイ・バージェスは客席と舞台をつなぎ、時間軸をいろいろさまよいながら観客への説明をになう難しい役。
立ち位置としてはエリザにおけるルキーニに近いかな。
ルキーニよりは物語の中の人物としてしっかり根を下ろしているけれど。
このまさおがすごくよかった。
幕開きのアナウンスからいい声っぷりを全力で発揮してくれて、私は満足した。
あの声はなんでか私の笑いを誘うんだよ。そのへんも含めて満足。
まさおの芸風はなんかおもしろいんだよー!
ストーリーを説明しながら物語をすすめていくところもBBCでのいい人っぷりも好きなんだけど、先述のゲイ告白シーン(物語の展開上はソヴィエトのスパイであることの告白なんだけど)以降のちょっとブラックが入ったところが好き。
大野くんの作品の登場人物だから一筋縄ではいかないぜ!
ウォリスが上海でスパイをしていたことを暴かれる場面で、チャイナを着たまさおがまたかっこいい。
似合うわー、こういうの。
ナチュラルにナルが入った芸風だから余計にね。
キタキタキタキタ感が半端ない。
ここから、ぶっとんでいくんだよね。観ていてニヤケが止まらない。
いやーもうなんでこう面白いんだこの人は。
人事的にはいろいろ思うところもありますけど、彼女のトップ就任はほんとに嬉しいし、楽しみなんです。
ディスカッション
コメント一覧
初めまして、いつも楽しく拝見させて頂いてます。
あのシーンはそういう風に受け取って良いんだよね!?と少々ドギマギしていたのですが、これからは思いっきりそういう風に見ようと思います(笑)
私だけがそう見てしまった訳ではないんだと、思わずコメントしてしまいました!
これからも密かに楽しませて頂きます。
昨日観てきました。すごく良かったです!
ガイがスパイでゲイだというのは事前に何かで見てたんですが(こちらのブログでだったかも)、ずっと普通のアナウンサーっぽかったのですっかり忘れていて、「実は僕はスパイなんです」という唐突な自己申告に同じくツッコミを入れてました(笑)
あの「アンソニー!」の調子で「ジューリエット!」って言うんだろうなぁ、とニヤニヤしちゃいました。
私もたぶん同じ様な理由で彼女を好きなんですが、トップになるんだし、面白がらずに素直にうっとりしたいと思ってます。頑張ってほしいです。
>氷埜 さま
はじめまして。
史実上もあの2人は付き合っていた時期があるようで…。
はっきりと、そういう風に受け取ってよいものと思われます。
演出家の大野センセイ自体、そういうのがお好きな方のようですし(笑)。
>Nagisa さま
「アンソニー!」と同じ調子で「ジューリエット!」と呼ぶまさおを想像したら笑いでお腹が痛くなりました(笑)。
あれは、ああいうヤバい場面だからこそムダに声に色気を出してるんだと思いますが、
対娘役でもやってくれますかねぇ…?
(そうなったら笑いを堪えられる自信がありません)