『ロバートキャパ』感想・3

※以下、あいかわらず「どうして私が原田作品が好きじゃないか」を延々語ってるだけの文章です。
創造性も発展性も皆無です。
長いし暗いので下に置いておきます。
「年寄りの愚痴はもういいんだよ」という方はすっとばして下さいな。※



先の記事にも書きましたが、次回宙組大劇場公演をもって宝塚初観劇という人が4人います。
会ったことはない人なのでどういう人たちなのかは知らない。
でもとりあえず完全に初心者。

演目は原田センセイの手になるもの。
私的にはそんなに嬉しくない演出家なのだが、はじめての人にはいいかもしれないと思ってます。

原田センセイの作品はアクがない。
人間が整理されて出てくるのでわかりやすい。
突拍子のない展開は用意されていないし、特別変な人間も出てこない。

すごーくわかりやすい。

たとえば、大野作品は私は好きすぎるくらい好きだけど、観る人を選ぶだろうと思っている。
登場人物は多いわ、設定はてんこもりだわ、そのうえ次から次へといろんなことが起きて脳がついていかない。
ある程度宝塚の公演をみている私ですら脳の処理速度がときおり追いつかないんだ。
初心者や組子になじみのない人たちだと「アレ誰だっけ」「え、どうなってるの今、わけわかんない」ということになりかねない。

原田作品ではほぼそのおそれがない。
というのも主要人物数名だけ認識しておけばあとはほぼモブだから…。
中堅・下級生好きだと腹立たしいけど、芝居を見慣れていない人にとってはむしろありがたい要素だろう。

――そういう意味でいえば、宝塚じゃなくて外部の作品として扱われるほうがいいんじゃないのか。
チラシにばーんと乗るような主要キャストとアンサンブル、という形のほうが収まりがいいんじゃないのだろうか。

それと、彼の作品には隙が少ない。
別に、完成度が高いという意味ではない(失礼)。
想像の余地とか、妄想のつけいる隙間とか、ツッコミどころとか、そういう意味での「隙」が少ない。
見る側がみずから深みにハマっていく要素が少ない。

ありていに言えば、ツボが足りん。
萌えが足りん。

私の場合、「何度でも観たいなぁ」と思うとか「おもしろかったー!」と叫びたくなる満足度って、作品の完成度云々よりも自分のツボにハマるかどうかだ。
半端に整った作品よりも、「ちょ、おまwwww」と盛大にツッコミを入れられるアホらしい作品のほうが好きですよ。
(その筆頭は『コードヒーロー』だな。あれは珍作)

たとえば景子センセイのバウ(『オネーギン』とか)みたいにちゃんとした文学ができるスキルがないのなら、エンターテイメントのほうに走ってくれると嬉しいんだけど。

でも原田センセイはそんな方向を目指してなさそうだなぁ。できるだけリアルに、だもん。
本物のライカ、本当にキャパの撮った写真を舞台で使うことにこそ意味を感じていそうだもん。
なんでこんなにまじめなのよ。

「本物」を使うことと、舞台で「リアル」に演じることはまったく別物だと思うんだけどね。
上手く説明できないけれど、むしろ邪魔になるんじゃないかとすら思う。
「本物」を使うことに意味を見出だしてしまったり、そこからある種の慢心や勘違いが生じたり。

それにキャパの写真はさすがに力がある。その力に引きずられてしまう。
使う人に、使いこなすだけの力がなければ。
残念ながら、私には引きずられているように思えた。演出家のせいか、出演者のせいかはしらないけど。
そして実のところ私は「どっちも」と思ったけど。

こういう地味でリアルで重い作品って、ノリで笑い飛ばしたりできないだけに、出演者の力量が問われる。
好みはあるんだろうけれど私は満足できなかった。
出演者が芝居のできる上級生だったらもうちょっとはよかっただろうな。
きっとインパクトある彼女らの演技に観る側も呑みこまれただろう。

最近の若手バウのヒット作は、「メイちゃん」しかり「ランスロット」しかり「アリス」しかり、どれもキャラ物っぽい。
こういうのなら、きっと中堅~下級生でもそれなりにさまになるんだ。
きれいでかっこいいキャラクターが人格でなくキャラで話す。ノリがよくて見た目がきれいだから単純に見ていて楽しい。

原田作品はそのほぼ対極を行くので分が悪いといえば悪い。
けど、もうちょっとなんとか…。
作品が基本的に地味な仕様なので、出演者の演技に迫力があるか、上手さをみせるか、観客のツボをつくかで惹きつけてほしかった。

遠くない将来トップになるであろう人の研鑽の場としてはよかったんだろうとは思う。――と、むりやり締めておく。

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