蘭蘭『ファントム』感想・6

2021-02-11花組公演感想,花組

・終盤、銀橋で一度、本舞台(クリスティーヌの楽屋)で一度「クリスティーヌ!」と叫ばされるみわっち(=シャンドン伯爵)は不憫だなぁと思う。

だってあれって「俺はクリスティーヌを愛しているんだぁ!」以上の意味のないセリフだ。
だったら1回でいいって。

それなのに2回も叫ばされる。ヘタすりゃ「また叫んでるよ」的ツッコミしか受けないと思うの。
それをやりきってるみわさんはすげーな、と思った。変なところで感心した。
そしてすごくヅカっぽいと思った。
ただしこの「ヅカっぽさ」は現実に舞台でよくみるものというわけではなく、宝塚を観たことがない一般人がイメージする「ヅカっぽさ」ね。

みわっちのシャンドン伯爵はなんだかよく知ってる(気がするだけかもしれない)とてもキザってるみわさんで、「ああみわさんを観たなぁ…」という満足感をくれた。
しかしシャンドン伯爵ってエリックの恋敵だし歌もあるし出番もあるけど、あんまりやっても面白くなさそうだ。

・えりたんのキャリエールはかっこよかった。渋かった。
なんていいヒゲ。
しかし1幕ほとんど出てこない…。

初日を観たあとスカステで「いい声で頑張りたいと思います」的なことを言ってるえりたんをみた。
言うとおり、ほんとにいい声だった。
銀橋歌もよかった。

しかし、案の定というか、エリックの父親かと言われると…。
エリックが蘭寿さんというだけで相当ハードル高くなってるんですけどね。
(というか、蘭寿さんを相手にまわして「父親」を違和感なくやれるのは専科さんクラスか老け専上級生くらいだろうて)

・みりおん子エリックはかわいくてちゃんとうまかった。よかった。

話はかわるがフィナーレのロケットは娘役がほとんどで、センターも娘役だったんだが彼女で合ってる…?
よく使われているわりになんだか顔を覚えづらいんだよなー…。

・くまくまちゃんのベラドーヴァは達者なんだけど、なんか柄ちがいだなぁ、と…。
ベラドーヴァって可憐で清純な娘で、その清らかさゆえに狂う役どころだと思う。
くまくまちゃんってどちらかというと「おっかさん」系で、あんまり「娘」じゃない。
狂ってからはともかく、キャリエールと付き合ってたころが似合わなくて残念だった。上手いだけじゃどうにもならないことってあるんだなぁ。

ところで若キャリに「どうして君は僕を愛してくれたんだい?」と聞かれていきなり歌いだすベラドーヴァって変だと思う…。
「そのとき奇跡が起こった。彼女が歌いだしたんだ」って、奇跡じゃねえよ、とキャリエールにつっこみたくなる。

・まりんのルドゥ警部がかっこよすぎてどうしよう。
あああ惚れる。すごく仕事ができそう。

それなのにキャリエールの見え見えなごまかし(ファントムはここにはいないよ探したもん、なセリフ)に引っかかるのが解せん。キャリパパ、あんなに怪しい動きをしてるのに。

仕事ができそうなだけで実はできないのか、実はファントムのことなんてどうでもいい人なのか、蛇の道はヘビであとからワイロもらおうと思ってる人なのか…。
ほんとに辻褄が合わない。

まりんが間違ってるのか演出が悪いのかはわかんないけど。

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