ひさびさにマラケシュ
さっきはテレビでやってた『マラケシュ・紅の墓標』をみてました。
ひさびさにみたけれどやっぱりこの公演好きだ。
謎があって物語世界の全てを解き明かせる日はこない気がするけれど、そんなことはどうでもいい。
美しくて破滅的でせつなくて愛おしい。
樹里のレオンに胸を締めつけられる。あのどうしようもないどこか甘ったれの小悪党に。
この物語のラスト、リュドヴィークの生死は語られない。
私は彼は死んだと解釈したんですが合ってるだろうか。
砂漠は異界≒あの世なのだと思う。
砂漠からゆみこちゃん演じるクリフォードが生還を果たし、それと入れかわるようにリュドヴィークが砂漠へと入っていく。
砂の薔薇を手渡して。
そして妻のオリガと再会したクリフォードは現在を象徴する砂の薔薇をオリガに渡して「全てここから始めるんだ。…ぼくたちはまだなにも始まっていない」という。
この言葉はクリフォード自身のことばとして捉えるとかなり不思議だと思う。
金の薔薇に象徴される過去の思い出にとらわれていたのはリュドヴィークとオリガ。クリフォードにはおよそ関係のないことなのだ。
だから「ぼくたちはまだ始まっていない」という言葉が彼から出るのは不思議だ。
だが、これがリュドヴィークの言葉だったら。
リュドヴィークからクリフォードを通じて発せられた言葉だったとしたら。それなりに合点がいくと思うのだ。
リュドヴィークがこの世ならぬ人であるなら、それも可能だろう。
ところでこれってなにげに歌ウマ公演なんですね。
トップがオサさんというのが大きいけど、樹里もゆみこちゃんもいいし、ふーちゃんだってそれなりにできる。みわっちと一花さまのベドウィン兄妹の歌もいい。
演出がオギーだから人選や人の配置が的確。
歌える娘役には少しだけでも歌を振る。
ものすごく耳に心地よかった。
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