ひさびさの誰鐘
さて、ひさびさに『誰がために鐘は鳴る』を12月13日の千秋楽にみてきたので、感想の追加などを。
ロバートさんをすげーや、と思うところは多々あります。
ちゃんと男であること。
酒も女も好きだが、男としてやるべき仕事はきっちりやる。為すべきことを果たす。大事なことの順番を決して間違えない。
冷静沈着である。不測の事態にあってもベストを尽くす。けっしてまわりにうろたえたところを見せない。それがなにを生むか知っているから。
冷静であるけれども情が深い。
愛する女に対して紳士的である。どこまでも懐が深い。
義もある。友情というものを知っている。
ロバートとアグスティンのあいだにある男同士の信頼関係はずしっときた。
前回観たときよりも重さや厚さを感じた。
アグスティンがロバートを認めてマリアをゆるす気持ちも、最後に動けなくなったロバートがアグスティンにマリアを託す気持ちもわかる。
互いが互いを信頼しているからこその言葉だった。
舞台に、ほんとうの(というよりは「理想の」というほうが近いだろうが)男がふたり、いるような気がした。
ロバートとアグスティンのざらりとした手触りの、それでいて濃密な関係は、今、この時期のゆうひさんと蘭寿さんだからこそ出てきたもののような気がする。
蘭寿さんの組替えを控えた、時間が残り少ないからこそ生まれる濃密さ。
ロバートの時間は4日間。
ゆうひさんと蘭寿さんはあと数ヶ月。東京楽のあとは別チームなので実質はあと2ヶ月にも満たない。
短いからこそ余計に本気で生きようとする。ロバートがマリアと一生分の恋をしたように。
2人のあいだに残された時間の短さが、舞台の極限的な状況とオーバーラップする。
そう感じるのは私の感傷かもしれないけれど。
と、なんだかまじめなことを書いてますが、一番びっくりしたのは会った初日から「きみは誰の女だ」とマリアに聞くところでしょうか。
ストレートすぎるわ!
少しはつつめ!
日本人にはないアイデンティティだわさすがアメリカ人、と変なところで感心したのでした。
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