宝塚グラフ・2010年9月号・2

雪組,歌劇・グラフ

●水さんサヨナラ特集の着物4種。
メガネをかけてるのが90周年大運動会のヨン様コスにしかみえません。

サヨナラ座談会は登場した人の数(5人…コマせしきんぐがおり咲奈)もさることながら字組のキツキツさ加減にびびった。
5段って!

ラストインタビューは彼女の音校時代の話から入る。
なつめさんの千秋楽の日に、予科生だった水さんが掃除をしながら感慨にふけっていたという話。
それを水さんが大劇場楽の楽屋入りのときに思いだしたという話。
そういや水さんってなつめさんのファンだったっけな。(芸名からして…)

なつめさんの千秋楽の日に水さんが見ていただろう雪と宝塚の歴史のイメージが重なる。
時間の永遠性、連続性。
止まらずに進み続け、積もっていくもの。
降ってくる雪は同じものではないけれども、時間の流れ自体は一続きのものだ。

予科生時代になつめさんの退団を送った水さん自身が退団する。

輪廻のようだ、と思った。
それとも命のつながりだろうか。
宝塚が、流れをもって脈々として続いていく。
トップが辞めた日にもすでに次のトップ候補生は生まれていて…。

こうして続いていく、つながっていくのがとても美しくて、水夏希というトップはもうじき役目を終えるけれども、宝塚自体が大きな生命の流れならばあまり悲しくはないのかもしれないと思った。

●みなこは白い服が袖のふわふわした部分が撮影場所とあいまって妖精っぽい。かわいい。

サヨナラトークは水さんをご指名。
ファン時代に見た水さんの舞台を思いだしてにやけているのがすっごくかわいくておかしい。

私は舞台上でのみなこの大人っぽさや背の高さも含めたスタイルのよさが好きだけれども、本人にはそれがコンプレックスだったんだね。
立場も立場だったから…と思うと、余計に大変だったろうな。

私はジェンヌの、それも娘役のコンプレックスが好きだ。
そしてそれを克服していくさまを知るのが好きだ。
彼女らの抱くコンプレックスが私のそれと同種なわけはなく、また同様な悩み方をしているはずはないだろうに、それでも勝手に自己投影して共感できるからだと思う。

男役はなんとなく自分からは遠い「スター様」だ。他人だ。
娘役だってもちろんスターに違いはないのだが、意識のどこかで自分たちと同一地平上にいると感じられるのが娘役というものだ。

だから彼女らの悩みには共感し、頭をうっているのであれば励ましたくなり、乗りこえたのであれば喝采を送りたくなる。
少なくとも私にとっては娘役とはそういう存在なんだ。

みなこにはともかくもお疲れ様でした、と言いたい。


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