『ロジェ』感想・2
『ロジェ』についての感想のつづき。
6月26日(土)15時、27日(日)11時、15時公演を観劇したものです。
以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。
めんどくさいので隠したりはしません。
気にしない方だけ続きをどうぞ。
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先の記事でロジェさんのことをけっこうボロクソに書きましたが(すいません)、実のところロジェさんが血も涙もない人間だというわけではない。
なんつっても家族の仇を討とうとして結局は果たせない人間だ。
仇には仇の理由があるにしても。
「人間関係を築けない」と書いたけれどもあえて「築かない」のだということもできる。
おそらくは他人をまきこまないために。
迷惑をかける可能性があるなら、関わり合いは最小限にしようと思っているのかもしれない。
ただ、その関わり合いを避けすぎて、男1・2が対等に見えないのはキツイ。
キムラさん演じるリオン。
パリ市警の刑事でロジェの友人。
友情に篤く、まっすぐな心をもった温かい人。
ロジェを追うかたちでブエノスアイレスに行き、ロジェから真意を聞く。
ロジェに本心を語らせるくらいに心をひらかれていて、そしてそれを知ったことで迷惑をこうむらないようにと罠にかけるくらいロジェから大切に思われている。
一応わかる。
ええ、いちおう。
ここでの告白(?)は謎解きをされたようなもので「ああ、リオンはロジェにとってやっぱり大事な相手だったんだな」とは思うんだけど、パリでの関係のバランスの悪さが足を引っ張っている。
そう、問題はパリの場面。
水さんのロジェが「孤高」すぎてキムラさんのリオンが弱く見えてしまうのだった。
ぶっちゃけていうと、「キムラさん大丈夫か…?」的な不安をもった。
2番手見習い感がものすごくあった。
たとえばこれが水キム体制の雪組の初めだというのなら別にかまわない。
このあと何作かやって、すんなりいけば2番手が次期トップに昇格するんだろう、というような公演であれば「あ―――…」とは思うだろうが「ま、がんばれ、そのうち慣れるさ」くらいの余裕を観客である私もかましていられる。
が、水さんラストだから。
キムラさん次回公演からトップだから。
時間がなさすぎて、経験を積む時間的余裕がなくて、先のことを思ってハラハラした。
もう少し早く2番手になっていれば。
もう少し誰かの下で2番手として修行できれば。
もう少し、そうもう少し…!
いろんなタラレバが頭の中をぐるぐるしました。
外見的にキムラさんは若いので、その点で大人の男な水さんとのバランスも悪かったというのもある。
年齢差を感じて友人っぽくなりにくい。
そのうえ、芝居上の流れでトップと対峙できない立ち位置の前半。
対峙できないのにともに行動するものだから自然と存在が軽くみえてしまう。
結果、実力以上にか弱く感じられたのだと思う。
ブエノスアイレスの場面ではさほど「2番手見習い」っぽさを感じなかったから、そう考察しました。
ところでブエノスアイレスで水さんが後ろからピストルをつきつけたままキムラさんのスーツのポケットをまさぐってる姿は非常にいかがわしかったです。
ぶっちゃけチk…いや、なんでもありません。
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