『聖者の横顔』をみたんだ
古いビデオ『聖者の横顔』を見ました。
2000年3月に収録されたと書かれているので10年前の作品ですね。
作・演出は荻田浩一。
オギー物だけあって深くて映画のようで面白かったです。
●ヒロインは3人いるということでいいのかな。朋さんのイレーネ、美椰さんのニコラ、妃里さんのフランチェスカ。
どの役もなんだか悲しい。胸が痛くなる。
けれどもヒロインたちに人格があり、彼女らの人生をもっていて、背負っている時代背景もある。
ちゃんと「人物」としてそこにいる。
役者としてやりがいがあっただろう。
朋さんのイレーネが萬さんのジュリオと死の舞踏をするところは引き込まれた。
戻ってきたかつて愛していた男と心中するために毒をあおり、踊る。
なんというタナトス。
それでいてイレーネは死に際に「私まだなにもしていない」「生きたかった」と言うんだからやりきれないよな。
●さえちゃんのジゴロ。
赤のスーツがなんともそぐわなくて微妙な感じ。
だけどそれがジゴロをなりわいとしているルーカの外面と、実はとても白くて純真ですらある内面との差を奇しくも示してしまったかのようでした。
ルーカってほんとに濁らない。
あんな生まれでもなりわいでも人を信じている。
ファブリッツォに帳簿を渡すことになったとき、イレーネに「友達なんだ」という言葉がせつないけれどあたたかい。
●かよた――――ん!!!
ジェンナーロはやたら綺麗です。歌も上手いです。
かよこのあの透明感というのは凄いわ。
なぜああも白く美しく儚くも強く存在していられるのだろう。
そして浮遊感。
なんというオギーワールドの住人。
あああなんで辞めた…、私がヅカにハマる前に。
そしてラジオなんかで垣間見る素の姿とのギャップが激しすぎて、思い出すたび脳が混乱する。
ルーカが清らかに存在できるのは、心の中にこのジェンナーロが棲んでいるからなんだろうな。
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