『シャングリラ-水之城-』感想・2

宙組

破綻した物語だけれども見ていて飽きない――というのはすごいことだと思う。
一つには演出家の仕事=演出そのものによるもの。
それから出演者の勢い、パワー。
そしてファンなら、好きなジェンヌがイイ感じで舞台に立ってるというだけである程度満足してしまうというもの。

今回、もちろんどれもあったんですが、言いたいことは蘭寿さんがいるだけで満足できたってことだ。
ハイ、ファンモード。

うん、まぁ、いつものことながらエロいわあの人。
色気ダダ洩れ。
垂れ流し状態。

今回の嵐という役はレジスタンスなんだけど、自分の力のなさで仲間たちを亡くして、生きることに希望を失っている状態。
不死身だったラズロとは違う青臭さが残る青年。

ちょうど登場するときがシャングリラにとらわれて拷問の末に牢に放り込まれたところ。
なので気力的にも体力的にも弱っている。

黒い前髪を垂らして、口はだいたい半開きで、伏し目がちな目で語られる言葉は後ろむきなものばかり。

かよわい蘭とむという珍しいものがそこにいました。

拷問を受けて(でも口を割らないあたりやっぱり頑丈)、そこに軟禁されてた科学者のせーこちゃん(=霧)に「少し眠ったらいいわ」とか言われて柱を背に眠る。
顔が少し横を向いてるのがイイっす。
美しい鼻筋と頬~アゴのラインを堪能しました。

せーこちゃんとは逆裁2に引き続き組むかたちになりましたね。
ああ大人っぽい。
蘭とむと並んですら姉さん女房っぽかったわ。
嵐を慰めたり勇気づけたり、水門を開いたあとは一緒に働く役だったからというのはあるんだけど。

いくら蘭とむが若作りな役だとはいえ、姉さんっぽく見えるせーこちゃんというのもすごいな。

美雨役のすみ花にはデコチュー(見ているこちらが超恥ずかしい)だったり、ラストで泣き叫ぶ彼女をなだめたりとお兄ちゃんモードだったのに。

途中で挿入されるダンスシーンでももちろん蘭とむは「嵐」として踊ってるのでいつもより表情は気だるげ。
口は半開きぎみでエロ垂れ流し。

でも動きはいつものごとくキレまくりだから面白いんだよねー。
ちょっぴりアンニュイな雰囲気とカクカクした感じの動きの組み合せにはついうっかり笑いそうになってしまった。


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Posted by hanazononiyukigamau