駆け抜けていく

覚悟はしていた。
同時退団じゃなかったらむしろ驚くくらいに、彼女はきっと辞めるものだと感じていた。

だからモバタカからメールが届いたときも「ああ、今日発表なのか」くらいの乾き方だった。
悲しいけれども半ば以上はあたりまえのことだから動揺はしなかった。

だけど、徐々に心が重くなっていった。

悲しいというよりも重いんだ。
だって私は彼女の舞台をさほど見ていないことに気づいてしまって。

トップ娘役に就任したのはほんの最近のこと。
去年の7月31日、『ロシアンブルー』の初日に私は駆け付けた。

芝居でのアテガキを振られたみなこの出来に喝采をおくった。
表情に硬さを残して大きな羽を背負ったみなこを祝った。
出での顔も隠れるほどの大きな帽子をかぶったみなこに「偉くなったんだなぁ」とじんわりきた。

それからまだ半年も経っていないのだ。

プレお披露目がなくて、大劇場公演の後は全国ツアー。
そして今日退団が発表された。

大劇場3作ならば「短期」ではあるけれども、小公演を含めたら6作の任期。ほんの2年ほど前までなら。
だけど今はスケジュールの都合でそうじゃない。
小公演を含めてたったの4作。
しかもまだ2作目を終えたところ。

トップ娘役としてたったこれだけしかしていないのにもうゴールが発表されて、それを駆け抜けようとしている。

まだなにもしていない。
見せていない。
観客に、私たちに、印象を残す前に去っていってしまう。

早すぎるじゃないか。

みなこが雪娘1になった姿を見れたことが嬉しい。
トップ娘役に就任したときから退団のカウントダウンははじまっていたから「覚悟」はしていたんだ。
だけど、彼女がヒロインを演じた作品の数をかぞえたらどんどん胸が重くなっていった。

にしてもー、リオブラの通称「オラオラ5」の5人中4人が退団決定ってどうなのよ。


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