夜空の星屑・2

続きです。
やっぱりヅカはほぼ無関係です。

―――君は回送列車に乗ったことがあるか?

電車は動きはじめました。
私は回送列車の中にいます。

とりあえず乗務員を探しに行きました。
かなり端に位置していた私の席から車両をだいぶ移動したところに乗務員室がありました。申し訳ない気持ちで話しかけると、

「あら、どうしたの!? 寝過ごしちゃったの?
どうして誰も気づかなかったのかしら(´Д`;≡;´Д`)」

いや、お姉さんは悪くないんですよ。えぇハイ。
理由を説明しました。
再び私がすわっていた席まで行きましたが、やっぱりキャリーバッグはありませんでした。

「大丈夫よ、あんまり悪い方に考えないでね。きっと見つかるわよ。駅にあるかもしれないし」

お姉さんがなぐさめてくれます。

「貴重品とか入っていたんでしょう? 大変やね。でも大丈夫やから」

貴重品はいいんです。
なくしたらそれなりに痛いけどそもそもが自業自得だし。
問題は、

デジカメの中身が全てジェンヌの入り出写真だということ。
イタイ… il||li _| ̄|○ il||li 人間としてイタイ…。

たとえばキャリーバッグが見つかったとしても、持ち主確認のためにデジカメの中身を聞かれたら辛いな…。
そんなことを思ってました。

また、仮にバッグが盗まれたして、盗んだ人はあのデジカメの中身を見て驚くだろうかとも思いました。

電車の中には結構な人数がいました。
掃除の人たちです。
すれ違うたびにどしたんー? 的に話しかけてきます。

フレンドリー大阪。

ああすいません私がアホなんですキャリーバッグ電車の中に忘れて取りに戻っちゃってそしたら出られなくなっちゃって電車に乗るなの放送は聞こえてたんですけど忘れものに動揺して乗っちゃったんですよ乗っちゃった私が悪いんです荷物見つからなくても仕方ないです自分です悪いのはハイすいませんマジですみませんご迷惑をお掛けして申し訳なさでいっぱいです。

とにかく謝りたおしました。

あまりに謝りまくってるためかみんな優しくなぐさめてくれます。

この電車は○○に行くんだけどそこからどうしようか。○○に電車の車庫みたいなのがあるのよ。
大阪に戻るよね?
うーんでもこの電車すぐには大阪駅に折り返していかないし。

マヌケな客をどうするかの相談が始まりました。

俺の仕事がすぐ終わるなら車で乗せていってあげるんだけどね、ハハハ。

さすがは日本のラテン大阪。
兄ちゃんが明るいです。

相談の上、まずは○○に行き、そこから別の大阪始発の電車に乗ることになりました。


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