星組バウホール公演『ブエノスアイレスの風』11月23日11時公演の感想です。
ちえがすっごくよかった!
ほんとによかった。
『スカーレットピンパーネル』のショーヴランの出来がよくて、それで人気もぐわぁっと出たじゃないですか。
んで、今まではダンスの人として見られてて、それ以外は今一つな印象だったのが、スカピンの出来がよかったから(もしかして「実力派」と言ってもいいのかな?)くらいになったじゃないですか。
でもそれの出来が一過性のものなのか、ほんとうに実力が身に備わったのかまだ確証がなくて、悪く言えば物見高い感じで見に行ったところもあったわけです。
が。
すごくよかった。
歌をしっかり聴いてしまった。
引き込まれた。
芝居もよかった。
ニコラスの真面目なところ、熱くてクールなところ、情のある部分、修羅場を生き抜いてきたしたたかさに骨太さが感じられて。
なにより立ち姿に存在感があった。
そして色気があった。
本当にいい男だった。
正塚芝居の主人公のハードボイルドなかっこよさが全面に出ていて、ニコラスが舞台に息づいていた。
絶賛しているようだけど、絶賛したくなる出来だったんだよ。
ちえはもともと外見に恵まれていたし、男役らしい野太い声も外見に合ってる。
ダンスが売りだったけど、それ以外の部分も追い付いてきた。
昔は「大型犬」っぽい感じだったけど、それに獣っぽい色気が加わってきた。
元々野性味はあったんだけど、それを「魅せる」形で出せるようになってきた。洗練されてきたんだと思う。
洗練されると荒削りじゃなくなる分だけパワーが落ちて感じられて、物足りなくなりがちなんだけど、それもなかった。
元から持ってたパワーはそのままに、地力がついた感じかな。
すごいなぁ。
場は与えられていたけど、こんなに急激に成長するなんて思いもしなかった。
これだから宝塚はやめられないね。
人を見る楽しさがあるから。
この学年(今、研10か)になって成長するとはなぁ…。
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