2026年レビュー春のおどり』感想・1

京都南座で行われた『レビュー春のおどり』を観てきました。
私が観劇したのは4月10日(金)初日の午前の部:11:00開演/午後の部:15:30開演の2回です。

【第一部】 W.シェイクスピア作「ロミオとジュリエット」より
『たまきはる 命の雫』 作・演出 北林佐和子
【第二部】 『Silenphony』 作・演出・振付 平澤智
▽京都公演
【日時】2026年4月10日(金)初日~4月19日(日)千穐楽
午前の部:11:00開演/午後の部:15:30開演
第1部=60分
休憩=35分
第2部=65分

まず第一部の「たまきはる命の雫」。
みなさんご存知のロミオとジュリエットの和風ダイジェスト版、芝居よりレビュー要素多め。
元のロミジュリを知ってる前提で作られていて、さらに各キャラクタの設定をちょっとずつずらしてある感じ。これはこれで面白い。

まぁつっこみどころはあるよね。
「伝説的な作品」「名作」ということになっていますが、正直なところ、トンチキ感もありますよね。
なんで本編は飛鳥時代っぽいのにプロローグは平安調なのかとか。しかもしょっぱなは「春のおどりはヨーイヤサー」だし。まぁ『レビュー春のおどり』だからといえばそれまでなんだけど、世界観……。
私、昔のことはよく存じませんが、大和が舞台になってるのはOSKが奈良と縁が深かったからかな。奈良のあやめ池遊園地で公演してたと聞いたことはある。

キャピュレット夫人やパリスが「命婦」「親王」といった日本的な職名になっているところとか。
ちなみに命婦(みょうぶ)というのはざっくりいうと女性の国家公務員ね。身分は高い。
親王は天皇の男子のうち「親王」として認められた人。親王であれば天皇になる可能性もある。

あと舞台は日本(大和)なのに登場人物は原作そのままに名前はロミオやジュリエットです。
名前、呂美雄と珠利姫とかじゃあかんかったんか。

この作品でもモンタギュー家とキャピュレット家は反目しており、モンタギュー家は代々帝に仕えてきた名門、キャピュレット家は新興で、婚姻によって地位を得てきたらしい。城月さん演じる命婦がやり手で、親王のパリスと娘・ジュリエットを結婚させようとしている。

壱弥くん演じるパリスは、元の求婚者という属性に「大公」の役割も兼ね備える。コメディ要素はなし。
元の「大公」は帝・エスカラスを櫻子さまが演じておられるけど、出番は控えめです。

あとはロミオたち3バカのうち、ベンヴォーリオが今回は配役上か女性に。琴海さんのベンボリオはたぶんマーキューシオを愛してると思う。
そして椿くんのマーキューシオはロミオをひそかに愛してます。ロミオは気づいてないけど、周りにはバレバレ。

両家の確執や争いの説明もなく、歌垣(仮面舞踏会)のシーンからスタート。
ロミオとジュリエットはあっさり恋に落ちるけど、前段階としての背景の説明がないから両家がいさかいを起こす理由もわからない。
不親切じゃないかな。ていうか、観客がロミジュリを履修してる前提で上演してるのか。
両家の違い(誰がキャピュレット側で、誰がモンタギュー側か)もパッと見わかりにくい。

その後、バルコニーの場面へ。
ジュリエットの部屋に忍び込もうとするロミオをいさめつつも庭に見張りに立つマキューシオ。
「君のために命を捨てる覚悟はずっと前からしているのだから」
と、重たすぎる独り言。
おいおいおいおいと思ってたら恋心は周囲にバレバレで。
天輝くん演じるティボルトは喧嘩の最中に「オスはオス同士でじゃれあってろ」などと言いだし、うわーティボルト、煽りうめぇわー!!とつい感心した。

この天輝くんのティボルト、すごくよかったです。芝居心あるわぁ。
演技がこまかい。
マーキューシオを刺したあとの心の揺れは仲間たちといても慰められることはない。

つばえみのキャッキャウフフなピンクで水色で10代です!若者です!な可愛らしさに突如差し込まれる死の生々しさ。
親友・マキューシオを殺されたロミオが、敵のティボルトを刺すところや、仮死したジュリエットが死んだと思ったロミオが毒をあおるところ。
いきなりリアリズムに寄って過剰なまでに生々しく苦しさを見せるところは、バランスが悪いわ。
この落差にトンチキ感をおぼえるのよねぇ。

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