2022年『レビューin Kyoto』感想・3

OSK

ショー『INFINITY』の話。

『INFINITY』はOSK100周年を寿ぐ昭和レトロさとオギーの不穏さが同居した不思議なショーでした。
いろいろてんこ盛りで楽しかった。

トップ娘役が2人のOSK日本歌劇団。
ダンスが得意でやや大柄で華やかな舞美さんに、歌が得意で小柄、可憐な千咲さん。
いいバランスです。
(お2人ともたけふ菊人形公演に降臨されるそうでありがたいことこの上ない)

「ビバ!OSK」の千咲さんの歌のお姉さんぽさが昔懐かしい感じでツボです。
うふふ、歌が上手くてほんと可愛いいいいい。でも大人っぽさもあって好き。
スカートをフリフリしながら歌う姿に「あやめが池公演ってこんな雰囲気だったのかしら」などと思ってみた。

これぞ娘役、という可憐さと実力を兼ね備えているのが千咲さんの素敵なところです。

「黒のINFINITY」は舞美さんに城月さん、壱弥くんに椿くんの大人っぽい場面。
大人っぽい美女の揃い踏みは滾るわ。

あとダンスといえばやっぱり「ジャストダンス」の場面ですね。
総力戦、さすがはダンスのOSKですよ。見事な揃い方。
衣装も音楽も振付も素敵で、思いっきり長い場面をきっちり踊りあげるのは根性というかなんというか。
すっごくすっごくかっこよかった。

舞美さんは男装っぽい衣装もあってお得感がありましたね。
ありがとうオギー。
「男装の麗人」は男役だけじゃなくて舞美さんもなのかも。強いし。

穂香さんは場面ごとに表情や雰囲気がコロコロ変わって面白い。
可愛さとコケティッシュさと強さと、何とも言えない面白さと。

先日、今年の「たけふ菊人形公演 たけふレビュー」での退団が発表されました。
OSKのトップ娘役目指してるんじゃなかったのかー!!(穂香さんの成人式のときに新聞で見た)
ご当地で踏む最後の舞台、見届けたいと思います。
同期の翼くんと千咲さんに見送られてくださいませ。

去年のたけふ公演でいきなり心を鷲掴みにされた碧さんもキレキレで可愛かったー!!
そして相変わらず脳がバグるようなスタイルしてるわ。なんなのあの小顔っぷり。
前に見たときより娘役度が上がってたような。

「群衆」は『HYDEAWAY』で聴いた曲。(これもオギーでしたね)
翼くんの「群衆」を再び聴けて幸せ。でもすっごく不穏なシーンになってました。
戦時中なのかな、ナチスとかが台頭してた時代を思わせて、そして現代日本にも通じてしまう。

この場面の天輝くんと唯城さんの関係性は夫婦?それとも恋人?
顔のない人たち=群衆に翻弄されて引き裂かれていく。
ドラマチックなシーンです。
ラストは唯城さんの見ごたえのあるソロダンスが。将来的にはトップ娘役を見据えてるんだろうなぁ。
やっぱり星娘1のひっとんに似てるわ。

芝居では大役を務めた登堂くんはショーでの出番は少なめ。
(ちょっと前に休演してた覚えがあるし、体力面の考慮とかされてるのかな?)
だけどここぞという場面で歌で印象を残してましたね。

出番が少ないといえば特別専科のお2人も。
前トップスターの桐生さんに朝香さんですが、出てきたときの迫力とか存在感がすごい。「で、でたー!」みたいな。(お化けじゃないねんから)
ほんと圧倒されます。

OSKでもトップスターと前トップの専科さんとがいっしょに舞台に出るのって、ファン的にもいろいろ難しいのでしょうか。
宝塚での轟さんのポジションにファンがいろいろと思ったように。
……などと、つい舞台そのものからは外れたことにも考えが及んでしまうのですが、上手いバランスで舞台を作ってるなぁ、などと。
さすがはオギー。

もちろんトップの楊さんは万全で、真ん中として微塵も揺らぐことなく、団員さんを引っ張り客席を楽しませてました。
輝くなぁ、この方。
頼もしさと楽しそうなのと、鍛え上げられた実力と。
どの場面もどの場面もかっこいい。

フィナーレで全方位に笑顔を送りまくる椿くんに元星1のみっちゃん味を感じたりしました。
ひさしぶりに見た椿くん、やっぱりダンスがうまくてかっこよかったわ。

午後公演観劇時、「スマイルしかありませんよ」みたいな完璧な全方位接客スキルと、男役として完璧すぎるヴィジュアルと、若さからくるのだろう肌の綺麗さもあって「椿くんてサイボーグっぽいな」とつい思いました。
中の人の性格は知らんけど、人間味が薄い!(褒めてる)

と思ってたら、後のトークショーではめっちゃ人間だった。天然ボケか?とつっこみたくなるほうの。
舞台とオフ(とも言い切れないけど)のギャップも美味しいですよね。

5

OSK

Posted by ゆきたろ