ぴあ・ウエクミインタビュー

宝塚一般

ぴあにウエクミのインタビュー記事が出てます。

コレ

宙組の『FLYING SAPA-フライング サパ-』、雪組の『fff-フォルティッシッシモ-~歓喜に歌え!~』についてに加え、ウエクミの想像力の原点のようなものが語られています。
けっこう長くて読み応えがある……!

現状、謎に包まれている『FLYING SAPA-フライング サパ-』についてはやはり謎のまま。

ポスターではマシンガンを手にしているが、真風が演じるオバクは、アンニュイな雰囲気を漂わせ、動きも少ないらしい。

「真風さんの持ち味と、私がやりたかった役のイメージが近くて、しかも劇場がTBS赤坂ACTシアターと聞き、これはぴったりの人だと思いました。そこからさらに、真風さんが演じるなら、こういう行動をとれば説得力があるとか、こんなことを言ったら似合うと考えながら作っていきました。真風さんには、持って生まれた不思議な愛嬌と言うか、温かみがあって、ぶっきらぼうに愛想のないことを言ったり、シニカルに歯に衣着せぬ言い方をしても、ちょっと面白いんですよ。そういう普段の彼女が出るように、セリフも、ニコリともしないでボソッと言うけれど、なんだか面白いという感じにしたいなと」

サパはかなり実験的な作品になりそうですが、それには「大劇場公演」と「小公演」の役目を考えた部分もあるようで――。

「大劇場のお芝居では、先人から受け継いだ伝統芸を守るという意味もあって、自分が好きな物より、古典的な物を演ったほうがいいと思いますが、小劇場で、短期間に少人数でとなると、逆に挑戦的なことをやってみたいなと。歌劇団にはたぶん両輪が必要なのだと思います。今回は、ただ自分が語りたい物語を語ろうと思っていて、あまり宝塚だということは意識しないでやってみたいですね。意外と生徒たちもそういう挑戦にやり甲斐を感じているようで、今の世の中に対して何か問いかけたり考えたりという、文化的に資する新しいものを作りたいという気概が、時にはキャストにも必要なのではないかなと思うようになりました」

情報過多にならないこと、の有用性も語られています。
なんとなくわかる気がする。
情報に埋まって物を考えなくなるところもあると思うし。

「いえ、むしろ情報量は抑えて、何か来た時に、“わあ、楽しい”と思えるだけ飢えていたほうがいいんです。人間には本能的に、生存に有利だから1日これぐらい情報が欲しいという量があって、摂取できる情報量はカロリーなどと一緒で決まっているので、例えばザッピング的にインターネットでいろいろなニュースを見て、ジャンキーな情報で1日当たりの摂取量がいっぱいになると、家に帰って新聞や本を読む気になれないんですよ。逆に、インターネット断ちをしてテレビのニュースも見ないと、読書が相当はかどります。それは情報に飢えるから。演劇も、あまりにも観過ぎてお腹いっぱいになってしまうと、ふと見つけた物を自分の中に入れて、そこから考えるという余力が無くなりそうなので、月1回、適度に摂取するぐらいが、刺激を受けていいかなと。要は情報過多にならないことで、私も退屈な田舎で自然に囲まれて育ったのがよかったんだと思います。いい物にちょっとだけ触れて、あとはボーッとしているのがいいのかもしれません」

だいきほの退団作となる、雪組公演について。

「私が心を打たれたのは、壮絶な人生を送りながらも、ポジティブに生きようとするベートーヴェンの不屈の精神と、世のため人のために善なる物を一生懸命目指そうとしたその純粋さなのですが、そんな一見気難しいけれど、中にある物はピュアで優しいという役は、望海さんの芸風にすごく合うだろうなと思います。クセのある役など上手な人ですし、とてもピュアで、音に対して純粋に子供のような喜びを持っていて、しかもベートーヴェン並みにほとばしる物が強い人ですから。真彩さんの役は謎の女ですが、基本的にはいつもベートーヴェンと一緒で、彼にとってとても重要な存在です。真彩さん自身の持ち味も生かしたいですし、この名コンビがどんな関係性で最後のステージを飾るのか、お客様も気になると思うので、満足していただけるような形にしたいですね。ゲーテやナポレオンなど、他の登場人物も豪華で、宝塚ファンには馴染み深いフランス革命とも関わりが深い激動の時代なので、面白くなると思います」

だいもんのベートーヴェンは「一見気難しいけれど、中にある物はピュアで優しい」役、と。
すごく似合いそう。

謎の女の真彩ちゃんも含めて、とても楽しみ。

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