『出島小宇宙戦争』感想・5

2020-12-30月組公演感想,月組

・シーボルトを演じるおだちんは妖精耳に青コンで登場。
耳のせいか、アゴを上げて俺様感を出してるせいか、見た目がかなりあーさだった。
(『PUCK』新公を思い出した)

シーボルトのおだちんがほんとにわからない。
何者なんだこの人は。
なんでもやるしなんにでもなる自在さ。

月組的な土色をした役が基本なのかと思いきや、『IAFA』ではドジなかわいこちゃんをやるし、今回はキレてマッドな医者兼植物学者だ。
詐欺師的な要素もある。
虚実まじってどこまでが本心なのかわからない。
舞台上も客席も翻弄する。

「マジコレデジマ」な歌ではセンターに慣れたところも見せた。
色物系の役だけど、それにとどまらない怖さがある。

メイド蘭世とのやり取りではちょっとしたラブシーン(コメディだが)を照れを感じさせずにやった。

私、おだちんの中の人がほんとわからないんですよね、いい意味で。
中の人が透けてこないのが役者としてすごい。
きっと中の人は変なんだろうなぁ……(GRAPHとかで出てくる情報からしても)という気がするので、すごく興味があります。

・シーボルトのメイド=ヘレーネに蘭世。
お客のもてなしも医療のヘルプ(看護師的な)もピアノもできる万能メイドです。

蘭世のヘレーネは、アンドロイド的可愛さと、妙に生々しいエロさが笑える。
あのピアノの場面はなんのサービスなのか。
熱く湿ったまなざしでシーボルトを見つめる。
ゆいかれんちゃん的な役どころでした。

しかも日本刀で戦える。
ほんと万能で萌えをつめこんだような役だった。

・派手な服を着た隠密=リンゾウにありちゃん。
アイヌの服だから目立つ……はずなのだが、この作品、みんな衣装が変だから浮いてる気がしないのだった。衣装で特別目立ちはしない。

裏の顔もあるし、ちなつへの師匠を巡る愛憎・友情もあっていい役なのだが、他のキャラが濃すぎて割を食った感はあった。
あとちょこちょこ噛んでた。
東京公演に向けてブラッシュアップされますように。

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