『ハリウッド・ゴシップ』感想・2

2021-02-11雪組公演感想,雪組

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・咲ちゃん演じる主人公・コンラッドは、エキストラからスターの座へとのぼっていく過程で傲慢になっていく。
この変化がとてもナチュラル。
垢ぬけないところからレッスンを受けて美しく華やかに変貌していくところも、徐々に驕りをみせていくところも、「ああ、立場が変わったらきっと誰でもこうなるんだろうな」と得心のゆく変化。

スッとした立ち姿の美しさと、のびやかな歌声は舞台上で「スター」を演じるのにふさわしい。
コンラッドはわかりやすくかっこよかったり、手放しで素敵と讃えたくなるような性格の主人公ではないけれど、ある種、等身大の青年としてきちんと見せた。

・ヒロイン・エステラ役のじゅんはなちゃん。
とにかく華やか、きれい、可愛い。
「ある日とつぜん見出されるハリウッドのヒロイン」に納得するしかない。華と美貌がだいじだもの、こういう役は。

芝居もとてもよかった。いい子だなぁ、エステラ。
ハリウッド・バビロンに飲み込まれていくコンラッドやジェリー(翔ちゃん)とはちがって、優しさや情を失わない。横暴なふるまいをしない。
悩みつつ、自分の気持ちを大切に、誠実に生きる。
エステラはダウンタウンのダイナーを原点としているから、市井の人としての立ち位置をけして失わない。

エステラにはこの「等身大」な感じがありつつ、舞台人としてはやはりスター性があるのが魅力。
サロメの7枚のベールの踊りがとてもきれいだったわ。
長い手足をしなやかに使い、きわどくなりがちなところを生き生きと鮮やかに踊る。

作品も役も良くて、じゅんはなちゃんの代表作になったんじゃないかな。

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