『I AM FROM AUSTRIA』感想・3

2021-02-11月組公演感想,月組

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ジョージの両親に配されたのはちなつとくらげちゃん。
いい夫婦ぶり、いいコンビぶりでした。

・父・ヴォルフガングのちなつ。
妻と息子で言うことがくるくる変わる調子の良い夫(父親)。
困った人でもあるけれどいやみなく演じ、渋いかっこよさと愛嬌をみせる。
このヴォルフガングがすごく面白かったのだけど、「面白いことやって笑わせよう!!」という感じがないから、こちらも気持ちよく笑える。

頼りない部分もあるけれど、なんだかんだ妻のロミーには惚れられるに足る人でないといけないしね。
息子への情愛の深さもよかった。

・母・ロミーのくらげちゃん。
あいかわらず美人っっ。キリリとした雰囲気に、ホテル・エードラーの社長という役どころがはまる。
ホテルを五つ星ホテルにすべく奔走し、キリキリときにイライラしつつも手際よく切り盛りしていく辣腕ぶり(のわりに、従業員が抜けているのだが)。
スーツ似合いまくり。

そのスーツやコートの下が実は……と、ダルマになったのはびっくりしたわぁ。
ダンサー・くらげちゃん復活!!ではあるんだけど、ええと、唐突に何なの!?と感じてしまって。

でも後の場面でロミーも昔、実は……というのが語られたので勝手に納得した。
あの姿は、スーツやコートの下に隠していた本性なのにちがいない。奔放なところが元々あるのよ、彼女は。

・ホテルのコンシェルジュというのも、勝手なイメージとしてはかなり固そうなお仕事だ。
だが、オーストリアの土地柄なのか、たんに物語だからなのかわからないが、ホテル・エードラーのコンシェルジュはかなりぶっとんでいる。

組長・るうちゃん演じるエルフィー。口は固くない。
どこまでもパワフル。仕事も人生もパワフル。これまで何人の夫がいたのだろう……。

「おばちゃん」というか「おばあちゃん」なのだが、ぐいぐい人生を開いていく気概があって、勝手に勇気づけられた。

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