『GOD OF STARS-食聖-』感想・2
大劇場で観た『GOD OF STARS-食聖-』の感想の続き。
本当に最高すぎて、2回しか観てないのが辛い。
この作品は、何も知らない人が観ても、ずっと星組を追いかけている人が観ても楽しめるのが素晴らしい。
単純にはちゃめちゃで楽しい。
なんだよアジアンクッキングコメディーって!!
しかも西遊記世界から始まって神様や菩薩が出てきて、人間界は人間界で料理の鉄人もどきやアイドルや少林寺パロっぽいものまであって、なんでもありのごった煮。
笑わせて笑わせてちょっと泣かせてやっぱり笑わせる。
小柳流ハッピーミュージカルだ、大団円だ。
気持ちよくスカっと笑えるいい作品だ。
けれどずっと宝塚歌劇や星組を追っている人には、さらに笑わせたりニヤリとさせたり泣かせたりする仕掛けが盛り込まれている。
「こう見えて首席なんです」と言うリー・ドラゴン=こっちゃんは、95期の入団首席。
リーが憧れるクリスティーナ・チャンを演じるひっとんとは次期トップコンビだ。
遭難したホンとミッキーがぼろぼろの衣装で銀橋を渡るのは、お披露目のスカピンを模している。
天界にいるべにーさんの父親・牛魔王のゆーちゃんさんは、アナワの閻魔大王のようだ。
お母さん役の柚長は、アナワでも現実世界のお母さんをやっていたな。
ホンとリーが料理の一騎打ちをするときの歌詞もすごい。
「俺様こそがトップスター」
「紅色に染めるぜ」
「新時代なら俺こそがTop」
「口の勝負じゃ負けるわけがねぇ」
もちろん中の人たちに合わせたドンピシャな歌詞なのだ。
ここまでじゃないにしろ、ニコラス=せおっちの言う「根は暗いんだよ」にももしかして中の人に宛てた?と感じさせるものがある。
少林寺ならぬ「小林寺」という命名は、小林一三を祖にあおぐ宝塚だからこそ余計に笑える。
だいたいトップ退団の宛書作品って、宛書ありきで脚本を書いて、ストーリーが破綻したりキャラ造形がぶれたりしがち。あと単純に退屈だったり。
けど、この公演はさいしょから設定がぶっとんでるから破綻もなにもかもアジア的なカオスの中。
シリアスな話じゃないから「まぁ、いいか!!」で終わるというのもある。
最後に「満漢全席作ってたんじゃなかったんか!?」とは言いたくなったけどね。満漢全席対決のはずがおふくろの味の餃子に負けるってどうなのさ???
それでもなんかめちゃくちゃ楽しかったから、細かいことはいいやー。
べにーさんは作品運のあるトップさんだったな。
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