『20世紀号に乗って』感想・2

雪組

雪組東急シアターオーブ公演『20世紀号に乗って』、4月6日(土)15時30分に続き、4月7日(日)11時の回を観てきました。

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・初見時「少々意識が遠くなった」と書きましたが、2回目も同じでした。
第1幕が苦手らしい。
雪組生はめちゃくちゃうまいし、ふつうに話も面白いんだけどなぁ。眠くなるのはテンポ感が昔だからかなぁ。

・誇大妄想気味のオスカーとリリーがパワフルに舞台に立っている。
だいもんと真彩ちゃんの全力。
歌も芝居も存在感も群を抜いている。

けれど、彼らに振り回されまくる人々だって普通の人じゃない。普通だったら付き合いきれないところ、付き合えてるということはある程度は類友なのだろう。

オスカーと行動を共にするマネージャー・オリバーのまなはると広報担当・オーエンのあーさ。
「クビだ!」「辞めてやる!」の応酬で笑わせたり、うまく手玉に取ってあしらってみたり。
主人公のオスカーと行動を共にし、出番も多い。

元の作品を知らないのでほぼ推測でものを言いますが、『20世紀号に乗って』って本来はリリーが主役の話だよね。
そうなると、オスカー・オリバー・オーエンは三個一になりかねない。しかしそれは男役トップスターを戴くタカラヅカとしてはあってはならない形式。

三個一になりかねないオスカーをタカラヅカの舞台の主役たらしめるためには、いくつか条件・方法がある。

一つは主役の実力。
だいもんは圧倒的だ。ここは余裕でクリア。

ほかには、出番。オスカーの出番を増やしたり、ウェイトを上げたり。
ここはどうなんだろう……。2人に比べてオスカーがめちゃくちゃ出張ってたとかってこともなかった気がする。

あとは、オリバーとオーエンを「下げる」こと。
そこそこ、ほどほどを演じさせる。演者の実力でもって、オスカーより「小さく」なる。
また、観に来ているのがヅカファンであるという前提においては、演者が2~3番手ではないというのも「下げる」方法として有効だ。

――この下げ方が絶妙だった。
まなはるもあーさも上手い。上手いからこそ、ほどほどにきちんと演じられる。
主役を食うことなく(だいもんは食われる人でもないけど)、役回りを正しく理解して舞台に貢献できるのだ。

・この作品の2番手は、出番も役回りもイマイチなブルースを演じる咲ちゃん。
見た目はいいけど映画では後頭部しか映らない程度の「スター」で、ヒロインの現恋人ではあるもののアホである。

ごく大雑把にいえば、舞台上でポーズ決めたり、ドアに挟まれたりするのが主な仕事の役。
『エリザベート』の2番手役がフランツであるように、男役トップとヒロインを争う役だから2番手に配されたのだろうか。

ピンク色のスーツを着ても似合う咲奈。すげぇよ、脚ながいよ。
さんざんな目に遭ってるのに痛々しくないのがありがたい……。これが本気で可哀想に見えると、観客側が辛いからな。

大らかな雰囲気でほわーんと変な役をやれる、これもスターの素質なのだろう。

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Posted by hanazononiyukigamau