ことなこ版ロミジュリAパターンを見たんだ・2

Aパターンの2021年版星組『ロミオとジュリエット』で最も面白かったのが、ぴーすけの「死」です。

登場時は優しく柔らかい雰囲気なんですよ。
死なのに寄り添ってくれそう。
どこか悲しそうでもある。

Bパターンの愛ちゃん(大きい)・きさちんコンビと違って、ぴーすけは愛のさりおとサイズ感も似ている。
だから、死と愛の力が対等に見える。

優しく甘やかな雰囲気なのはロミオの心から生まれたからだろうか。

かと思うと「僕は怖い」でロミオをつき放つような動きをするからびっくりする。
ロミオが心の奥底に飼っている、滅亡への欲・死への衝動を表したかのようにも感じた。

ロミオがジュリエットと出会い、恋を知って、「死」は少しずつ育っていく。
モンタギューとキャピュレットの諍い絶えぬヴェローナの街では禁忌に近い恋だが、ロミオ自身は無自覚だ。
ジュリエットとの運命の恋が破滅への衝動ではないにもかかわらず「死」は育っていく。
すごく不思議だ。

2幕初め、ロミオが登場するところで息を吹きかける死。
なにかの種を飛ばすかのように。禍の種か、不幸の種か。
ここにきて、ロミオから生まれた「死」が完全に別の生命体になったかのようだった。

序盤ではさみしそうだったぴーすけの「死」が両家の争いでは楽しそうになってきた。

マーキューシオが死に、ティボルトが斃れ、かれらの魂を呑み込むときののけぞりと喉に這わせた手つきが色っぽい。

残酷なのに、まだ優しく柔らかい。
スウェード地にくるまれるような心地よい死なのだ。

ロミオが死んだときに死は極まりを見せ、エクスタシー感を溢れさせる。
そしてジュリエットが死んだときは「完結」を見せる。
ロミオから生まれた「死」がロミオを呑み込み、完全に勝利した――かに見えた。

死にとって想定外のことが起きた。
両家の和解だ。

ロミオとジュリエットの死を超えたモンタギューとキャピュレットが手を取りあうなか、死は苦しみもだえる。
「愛」の力に敗れこそしないものの、抑え込まれたというところだろうか。

――Bパターン・ぴーすけの「死」は「死の一生」「死の人生」を思わせるものだった。
物語とともに、「死」自体が存在を変えていく。
概念でありつつ、一個の生命体のようでもある面白い造形だった。
こういうアプローチの仕方もありかぁ!

今までぴーすけさんのことって「入団成績いいわりによくわからない人」って位置付けだったんですよ、私。
なんかすいませんでした。
ここにきてめっちゃいいもん出してきましたね。これが男役10年なのかしら。
今回でぴーすけにハマった人多そうだなぁ。

ぴーすけさんの死はスピンオフできそうな死。
なので、だれか二次創作ください。

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